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御宿で「中学生議会」 中学生議員8人が一般質問、公共施設や環境の課題考える

平成30年度御宿町中学生議会

平成30年度御宿町中学生議会

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 御宿町議場で11月28日、「平成30年度御宿町中学生議会」が行われた。

中学生議員

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 身近な地域や将来のまちづくりなどの諸問題を自由な発想や視点から意見を発表し合い、討議することにより、行政や議会の仕組みをより具体的に学び、興味・関心を高めることのほか、「よりよい御宿町」を目指した行政活動へと反映させることを目的としている。御宿町は、1994年に同町の小学6年生を対象に模擬議会を行った。その後、「中学生議会」として平成13年から2年に1度の頻度で開催されている。

 当日参加したのは、御宿中学校の3年生36人。学級内で男女の定数を決めて、生徒の中から立候補・推薦で選ばれた「議員」8人と、傍聴生徒28人が参加した。議長を務めたのは神定那緒(かんじょうなお)さん、副議長を務めたのは三成命(みなりたから)さん。

 一般質問の内容は、中学社会科の授業の中で、生徒たち自身で「もっとこうなるといいな」というテーマをピックアップして決めたという。

 議会は議長の進行により進められ、一般質問では各議員が行政などについて質問。御宿町の各機関へ答弁を求めた。内容は、公共施設の充実についてや獣害対策、町が主催するイベントや公園と町民の健康についてなどさまざま。

 このうち、議長の神定さんは町が主催するイベントについて、町民でさえ知らないイベントがあることから告知をどのように行っているのか、アンケートを行っているのかを質問。イベントを行う上では、企画の段階で参加者の意見を取り入れ、ニーズを把握することが大切だと指摘した。町からは商工観光班長が、告知の方法について答弁。アンケートについては、実施しているのもあるが不十分だという現状について説明した。

 副議長の三成さんは具体的な観光客の減少数を提示し、観光客への対応の一つとして観光案内所の分かりにくさなどを指摘した。実際にどれだけの人が観光案内所を利用しているのかを質問したほか、駅前に大きな看板を設置するなどもっと分かりやすくする工夫を行い、利用者数を増やせないかなどといった提案も行った。併せて、プラスチックゴミなどによる海岸環境の悪化が懸念されている中で実際に町がどのような対策を行っているのかについての質問も行った。町からは商工観光班長、環境整備班長、塵芥対策班長が現状と今後の対応について説明し、観光案内所については「これから分かりやすくするためにもっと情報発信を行い、交流人口の増加に努めたい」と話した。

 一般質問終了後、「ユニバーサルデザインのまち『御宿』」に関する決議が行われ、「御宿町に暮らすすべての町民、御宿町に来訪するすべての人々が、あらゆる違いを乗り越え、心を豊かに過ごすことができるまちの実現のため行動していく」とした内容を全会一致で「可決」した。

 石田義廣町長は「町の運営をじかに経験するのは大変有意義。学生が一生懸命考えた質問や提案はこれからのまちづくりの参考にしたい。中学生のみなさんに御宿に住み続けたいと思ってもらえるよう町政に取り組んでいく」とあいさつした。

 神定さんは「一般質問の内容だけでなく、質問をするときの言葉を調べて決めていくのが大変だった。これまであまり町のイベントに参加してこなかったが、今回さまざまなイベントがあることを知ることができたので、友達と一緒に積極的に参加していきたい」と意気込む。

 三成さんは「今回参加して御宿のことをより知ることができたし、町に関わることができたのでよかった。イベントに参加することは大事だと思った。これから地域の人たちと交流できる場に参加したい」と笑顔を見せる。

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