誰でも自由に弾くことができるストリートピアノが3月20日、大原駅前商店街に設けられ、多くの人が楽しんだ。
会場は大原駅からすぐのため電車で訪れる人も多く、まち歩きを楽しむ様子も見られた
ピアノは、同商店街の店舗の一角に設置。本と音楽をテーマにしたイベント「大原文化ストリート」に合わせてお披露目され、延べ40人以上が演奏した。
当日はピアノ目当てに遠方から訪れた人や、わざわざいすみ鉄道に乗って弾きに来た高校生もいた。友達と一緒に演奏する子どもや、連弾を楽しむ親子の姿もあった。
演奏した内藤今日子さんは「小学校1年生からピアノを続けてきた。いすみ市で育ったので大原といえば『大原はだか祭り』など伝統的な祭り。祭りでは多くの人が集まるが、こうしたイベントに、ここまで人が集まることに驚いている」と話していた。
「このような切り口のイベントは今までなかったので、コミュニティーづくりの場としての可能性を感じる」とも。
今回のストリートピアノは、本と音楽のイベントを企画する中で「誰でも気軽に身近に音楽を楽しめ、街もにぎやかになるコンテンツ」を考えていた時にアイデアが生まれた。
同市内にストリートピアノはなかったが、不要になったピアノを活用できないかと考え呼びかけたところ、寄贈の申し出があったという。
ピアノを寄贈した都内在住の女性は「知人がSNSで不要になったピアノがないか呼びかけているのを見て、連絡した。子どもが生まれた時に親が買ってくれたピアノだったが、成長するにつれピアノから津軽三味線に夢中になっていき、リビングの置物になってしまった。家で眠っているだけだったピアノが、地域のために活用されるのならばと寄贈を決めた」と話す。
イベント当日、ピアノが設置された会場には、寄贈本をいすみ鉄道と地域のために活用している「い鉄ブックス」による古本市も開かれ、多くの本が並んだ。本との出合いを楽しみながら、ピアノの演奏が始まると聴き入る人の姿も多く見られた。
同イベント実行委員の松村剛さんは「今回、複数会場での開催だったため街を巡る人の姿が多く見られた。来訪した人だけではなく、商店街の人たちもにぎわいを喜び楽しんでくれた。今後もこのような機会をつくっていけたら」と話す。
今後のピアノの活用方法については、話し合って決めていくという。