「夷隅地域ビジネスプラン発表会」が9月8日、大多喜町立中央公民館(大多喜町大多喜)で開催された。主催は立教大学大学院ビジネスデザイン研究科。
発表した大学院生チーム(写真提供=立教大学大学院ビジネスデザイン研究科)
夷隅地域の活性化に資することを目的に2020年から開催し、今回で5回目となる同発表会。当初は「大多喜町の活性化」をテーマに始まったが、今回初めて、いすみ市と勝浦市、御宿町を加え、対象エリアを2市2町に拡大した。
「夷隅地域の交流人口・関係人口を創出するビジネスプラン」をテーマに、今年4月に同大学院に入学した20~60代の院生がチームを組み、勝浦市と御宿町、いすみ市、大多喜町の3地域を対象に実際に現地を訪れ、地域の特色を生かした事業の方向性やマーケティング戦略、売り上げ計画などのビジネスプランを2カ月で練り上げた。
当日は、105人24チームの中から、事前に選ばれた6チームが登壇。会場では、太田洋いすみ市長をはじめ120人が集まった。
勝浦市・御宿町をテーマにしたプランは「林間学校×家族旅行による滞在型観光需要の創出」「黒潮による暖かい気候を生かしたパイナップル栽培ビジネスプラン」「勝浦・御宿の特産品ブランド化による交流人口の増加」。いすみ市、大多喜町をテーマにしたプランは、「大多喜町の特性を生かした中高生の滞在型情操教育事業」、「いすみ市企業誘致による地方創生事業」「仕事場×遊び場でウェルビーイングな生活を実現する」が発表された。
いすみ市のプランを発表した東京在住の和久井港さんは「以前の課題では個人でプランを考えたが、チームで事業計画を練り上げた今回は、自分では発想できなかった気付きなどがあり、とても楽しかった」と振り返る。同じく東京在住の楊アンニさんは「この課題に取り組む前は、いすみ市を訪れたことがなく、名前を知っている程度だった。分析や調査を通じて、いすみ市の魅力に気付き、この魅力をどうすればアピールできるのか、今学んでいる経営戦略をどう生かせるかなど、とても多くの学びがあった」と話す。
同大の青淵正幸教授は「多種多様な業種に携わる院生らがチームを組み、これまでに学んだことをアウトプットする最初の課題。学びたての柔らかい頭の段階だからこそ、いい案が生まれやすい。今後も院生らの発表がヒントとなり、夷隅地域の活性化につながるよう継続的に続けていけたら」と話す。