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御宿らしさを「色」から考える 地域の特徴からオリジナル色命名へ

御宿町地域おこし協力隊の高梨さんとISUMIエコミュージアム推進部会の堀口さん

御宿町地域おこし協力隊の高梨さんとISUMIエコミュージアム推進部会の堀口さん

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 御宿町のイメージに合った色に独自の名前を付ける「地域色パレット12色のオリジナル色名を決めよう」の投票が6月11日、始まった。

平田徳恵特任准教授とアイデアをまとめる参加者(写真提供=地域色研究会)

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 東京都立大学観光科学科平田徳恵特任准教授、ISUMIエコミュージアム推進部会堀口智子さん、御宿町地域おこし協力隊の高梨美佳さんらが立ち上げた地域色研究会が企画。昨年5月ごろに「色と地域のイメージを結びつけ、今後の観光資源に活かすことはできないか」と話したことが発足のきっかけだという。

 地域の文化的価値に着目し、観光地域づくりの視点から地域ブランディングの研究を行う平田准教授は、1級カラーコーディネーターで1級建築士の資格も持つ。「色」に着目したまちづくりの研究も進めており、今回、堀口さんからの誘いを受けワークショップを企画した。

 地域資源を生かした特産品の開発や販売地域振興事業を行う高梨さんは「商品開発などを行う際に、御宿らしさを表現したパッケージのデザインをしたいと思っていた。ワークショップを通し、皆で話し合い『地域らしさ』とは何かを考えながら、今後活用できることが生まれれば」と考えたという。

 昨年12月に開いた第1回目のワークショップには、地域内外から定員の20人が参加。同町観光協会会長や地元事業者が参加したほか、「色」「地域らしさ」に興味のある小学生も参加した。「地域活動に興味のある人と知り合いたい」と参加する人もいた。

 ワークショップでは、色の三属性など基本的な知識に触れた後、グループに分かれ色から連想する地域の魅力を書き出した。事前に行ったアンケートには323件の回答が集まった。「御宿らしさを表す色は?」という質問に対し「海」「空」を連想する「青色」の回答が多かったという。「赤は、御宿町のキャラクターである『エビアミーゴ』のイメージ」「黄色は砂浜や月の沙漠を連想させる」など、色に意味やストーリーをひも付けながら整理した。

 2月に開いた第2回目のワークショップでは、前回の振り返りから色の種類を147色から12色に絞り、そこから連想するイメージを議論。12色それぞれに御宿町の特産品や街の景色、イメージする言葉などが出され、最終的にそれぞれ10~15の言葉ほどに絞った。

 選んだ色は古くから用いられている慣用色名で、紅緋、樺色、橙色、黄、白緑、常盤色、空色、青、露草色、群青色、胡粉色、生成り色の12色。紅緋からイメージする言葉として「伊勢エビ」「太陽」「エビアミーゴ」「キンメダイ」「メキシコ激辛」などが挙げられ、同様に各色それぞれに御宿町らしい言葉が並んだ。 

 今回の投票では、それらの言葉の中から最も色のイメージに合うものを各色一つ選ぶ。選ばれた言葉はオジリナル色名となり、「御宿の地域色パレット12色」として発表する。

 堀口さんは「皆さんの意見を聞き、話し合いを重ね決まった12色。オリジナルの名前が付くことで、地域に愛着を持つきっかけになるのでは。今後は、この12色を小学校の体操着やユニホーム、商品のパッケージやチラシポスターなどに自由に利用してもらえたら」と参加を呼びかける。

 投票はウェブのほか、町役場、月の沙漠記念館、町内小中学校などで直接投票もできる。投票は7月末まで。

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