夷隅地域の情報を発信するフリーペーパー「いすむすび」が10月28日、「日本地域コンテンツ大賞2024」の「隈研吾特別優秀賞」を受賞した。2020年にも同賞を受賞し、今回で2度目。
都内で開かれた授賞式で賞状と目録が授与された(写真提供=いすむすび編集部)
一般社団法人「日本地域コンテンツ振興協会」が毎年開くコンテスト。全国各地の地域密着型の雑誌、フリーペーパー、ウェブサイトなどから参加を募り、誌面のクオリティーや読者の支持など多彩な視点から審査し選定、表彰している。全エントリーの中から最も優れた媒体を表彰する「大賞」のほか、ライフスタイル部門、ビジネスモデル部門、デジタル部門など、全9部門ごとに「最優秀賞」「優秀賞」を選出する。今年は535の媒体がエントリーし、20の編集部が最終選考にノミネートした。
同誌は、千葉県建築士会ISUMIエコミュージアム推進部会いすむすび編集部が発刊するフリーペーパーで、夷隅地域の古民家やその地域の歴史について紹介している。編集長は、勝浦市在住の一級建築士で「ちばヘリテージマネージャー」の堀口智子さん。デザインは、カフェ「とき々堂」(勝浦市貝掛)デザイン部が担当。2020年1月に0号を創刊し、年1号のペースで発行。今年2月に発行した最新号では、勝浦市内にある創業から約150年続く老舗旅館「旅館松の家」を紹介した。
堀口さんは「0号を発行した時に同コンテストのことを知った。4号発行後、取材先だった『旅館松の家』も喜んでくれて、多くの皆さんが手に取り、反響も大きかった。関わってくれた皆の思いを何か分かりやすい形で残せたらと考え、今回応募した」と振り返る。
「発行を重ねるに連れ、メンバーの意識も、誌面に対しての向き合い方も変わってきた。4号から編集に加わった大和田里奈さんが撮影した写真もとても評判が良く、さらに地域の魅力が伝えられるようになったのでは」とも。
千葉県建築士会が母体の編集部であることや建築の視点を取り入れた紙面作りを考え、「隈研吾特別賞」に応募。「最優秀賞は逃してしてしまったが、歴史と民俗学をひもとき、建物に注目した切り口が評価されたのでは。手探りで始めた編集部だったが、発行を重ねるごとに、積み重ねてこられたものを感じていたので、今回の受賞はとてもうれしい」と堀口さんは話す。
最新号は、増版を予定し、夷隅地域の公共施設や飲食店、銀行などで無料配布を続ける。