
布施学校組合立布施小学校(御宿町上布施)の閉校式が3月22日に開催され150年の歴史に幕を閉じた。
1874(明治7)年創立の同校。1955(昭和30)年、旧布施村が大原町、御宿町に分かれたことをきっかけに、全国でも珍しい組合運営の小学校になった。現在の校舎は1973(昭和48)年竣工。小規模学校として地域の人に支えられ、親、子、孫の3世代で通う児童もいたが、少子化に伴い閉校が決定した。今月14日に開催された卒業式では8人が卒業した。卒業生は延べ2900人。
閉校式には地元の人や卒業生など関係者約200人が出席。組合管理者や校長が閉校を惜しみながらあいさつし、閉校を宣言をした。同校4年の吉野敦史君は「地域の人と一緒に取り組んだ田んぼなど、思い出がたくさんある。人数が少ないので一人一人が協力し合って、学ぶことができた。学校はなくなるが、地域の皆さんとのつながりがなくなるわけではない。布施小学校の思い出を胸に未来へ進んでいきたい」と児童を代表してあいさつした。児童11人はそれぞれ、御宿小学校、大原小学校に転校する。体育館で歌う最後の校歌となった校歌斉唱では、児童だけではなく出席者の多くが一緒に口ずさんだ。
式典終了後には校内を開放し、多くの人が自由に見学した。「懐かしい」「変わっていない」などの声も聞かれた。図書館には同校で代々受け継がれてきた文集も並べられ、熱心に眺める人の姿も見られた。
今後、同校舎は御宿町が管理し、活用方法については地域住人の声を聞きながら検討していくという。