
「古民家の暮らしをつなぐ家 田島家」が主催する土壁作り体験会が4月5日・6日、千葉県長南町の築100年以上の古民家で開かれた。
主催する田島俊介さん・幸子さん夫婦は1月、自邸のリフォームを開始。材木は、林業を営む俊介さんが町内の山林で間伐した杉を中心に使っている。幸子さんは、同町の元地域おこし協力隊員で、地域への移住定住を促進する活動を続けてきた。3月で退任したが、退任後も自身のSNSなどで里山の魅力を発信し続けている。
幸子さんは「里山にある素材で家を造り、壊れたら自分たちで直す。そんな古民家暮らしができるのもこの町の魅力。維持管理の方法を学べば、自分たちでもできるということや、里山にある素材で家は造れることを皆さんと共有したい」と話す。
体験会では、土壁作りの下地となる竹小舞用の竹を敷地内で切り出すところから始めた。土は、町内で解体された納屋の土壁を再利用。講師に、同町で家屋のリノベーションの仕事や古民家を守る活動に取り組んでいるウルトラ古民家防衛軍の長谷川朋之さんを招き、2日間で県内外から延べ50人ほどが参加した。
長谷川さんは「長南町は古民家が数多く残っている。地震の揺れにも強く何世代もつながっていく家だと思っている。解体した材木も土壁も再利用できる。そんな循環ができて合理的に造られている日本の家の根元を見ていただけるとても良い機会」と話す。
鎌倉から参加した男性は「古民家に住んでいるが、土壁塗りの体験会はあまりないのでないので、今回参加がかなってうれしい。動画などで見るよりも実際に体験できて、とても勉強になり良かった」と話していた。
体験会を終え、田島さん夫婦は「多くの方に参加していただいて本当にありがたかった。人が集まることのパワーを感じた。移住を検討している人の参加もあり、長南町の魅力を知ることができる機会になったのでは。今回、子ども連れの参加も多く、それが特に楽しかった。今後も、家づくりのワークショップを開き、古民家暮らしをつないでいきたい」と意気込む。