
ユニバーサル・オーガニック農園を目指す「はじめの一歩農園」(いすみ市岬町椎木)で5月11日、「親子で楽しむ気軽な畑体験 綿花を育ててふわふわ飾りをつくろう」が開催された。
ビニールハウスではイチジクを育てている。苗は地元農家から分けてもらった
社会福祉法人「土穂会」が運営する同園。昨年の夏ごろから500坪の土地を開墾し畑として整備してきた。12月にはビニールハウスを設置。同会は以前より農福連携に取り組んでおり、働き辛さのある人の就労訓練の場としてだけではなく、地域住民との交流の場、企業と地方がつながる実験場として同園を活用していくという。
担当の内野美佐さんは「農業を通して社会と接する一歩を踏み出しててもらえたら。支援機関と連携し、誰でも自分のペースで農業に取り組めるような仕組みを整えていきたい」と話す。
同イベントは「子どもの発達を見まもる会つながるココ」が主催。同団体代表の森田幸代さんは「クリスマス飾りを作る中で、綿花を栽培できないかと考えた。畑を探していた時に内野さんから農場のことを聞き、一緒にできないかと提案した」と振り返る話す。
当日は市内在住の親子が参加。畑を散策し、綿花栽培に向けての準備を行った。広い畑を楽しそうに巡り「これは何の野菜ですか」と質問する子どもの姿が見られた。今回は、ポットに土を入れ、次回、綿のタネを蒔く準備をした。
内野さんは「現在、ジャガイモやトマトのほか、イチジクなどの果樹、ハーブや花も育てている。4人の農園スタッフはオーガニック農業に興味があり、それぞれの知識や経験を持ち寄りながら取り組んでいる」と話す。
土壌改良のための落ち葉を市内の清水寺から提供してもらったり、ハーブ講師として「Flower&Herb Broom香房」の東山早智子さんを招いたり、地元の家具店「家具の大丸」から提供された杉の端材を活用したりするなどの取り組みも行う。「地域のさまざまな人と一緒に取り組むことで、できることが広がっている」とも。
「農福連携は農家不足と障害者を結びつける意味合いがあったが、それだけではないと感じている。企業研修などでも取り入れられることも増えてきた。土に触れ、作物の成長を感じることで、新たな気づきを得ることも多い。今後も、さまざまな人と一緒に活用ができたら」と意気込む。
同イベントは、今月18日と25日にも開催する。開催時間は9時30分~。参加無料。