
地域の生活支援サービスを提供する事業者による「生活支援サービス合同説明会」が5月17日、正栄山妙海寺(勝浦市新官)で開かれた。
主催は、同寺とWALNUTSくるみ。同寺では「地域の身近な寺」として「ランチ会」や「認知症カフェ」など、さまざまな取り組みを進めている。住職の佐々木教道さんは「日々、地域の人と交流しているが、高齢化が進み日常のささいな相談が増えてきた。このような声を受けて暮らしのサポートができる仕組みができないかと考えるようになった」と話す。
佐々木さんの幼なじみで同社社長の中村宏さんは大手家電量販店で働いていたが、親の介護のためUターン。「幼稚園の頃から一緒に過ごしていた仲間と、自分たちの育った街で何かできたら」と考え、昨年起業し、高齢者向け生活支援サービスを始めた。
同社では、日々の困り事を必要な時に必要な時にだけ利用ができる「生活支援サービス」と、家族に代わって日々の見守りを行う会員制のサービス「安心見守りサービス」を展開。中村さんは「買い物の手伝いや病院の付き添いなどのニーズを感じる。遠くに暮らす家族に代わって見守ったり、一人暮らしで頼れる人がいない高齢者にとって家族のように寄り添ったりするなど、さまざまな形で手伝いができたら」と話す。
説明会には勝浦や御宿から20人ほどが参加。宅配弁当の「配食のふれ愛勝浦店」(勝浦市神官)、訪問美容室anco(あんこ)(勝浦市鵜原)の代表も参加し、サービスを案内した。参加者は、熱心に耳を傾け多くの質問も飛び交った。
中村さんは「勝浦市には別荘も多く、家族と離れて暮らす高齢者も多い。都市部ではこのようなサービスが増えてきているが、地方はサービスエリア外ということが多い。私たちは、地域内に拠点を置いているため地域密着で対応ができる。街を歩けば知り合いがいるような環境なので、病院の先生や勝浦市とも連携し地域で支え合えあえたら」と話す。
「地元出身で地元のつながりがある私たちだからこそできることがあるのでは。社名には『来る未来をより良くしよう』という思いを込めた。最期まで、自分らしくこの街で暮らしていけるサポートができたら」と意気込む。
同様の説明会は今後継続して開いていくという。