
店舗のシャッターに絵を描く「シャッターアートに挑戦」が7月22日、御宿町交流スペースかぐや(御宿町新町)で開催された。
主催は、子育て世代を中心としたボランティアグループ「かぐやdeアミーゴ」。「夏休み期間に子どもたちが楽しめるイベントを」との思いから企画した。
講師はアーティストの河野成人さん。河野さんは9年ほど前に都内から同町に移住。元々アパレル企業に勤務。Tシャツのデザインやサーフボードに絵を描くことをきっかけに作品のサイズが大きくなっていき、現在は壁画などを描いている。
昨年4月、同町で初めて開催した「ONJUKUアートフェス」では、巨大ウオールペイントを子どもたちと一緒に行った。河野さんは「御宿町は人や町の雰囲気がとても良く、心地良さを感じている。今回の会場のあるこの通りがより良い雰囲気になるように、子どもたちと一緒に絵を描けたら」と話す。
当日は、町内から20人ほどの子どもが参加。「花」をテーマに、それぞれがまず紙にイメージする絵を描いた。「ウオールアートは間違っても消すことができず、塗り直しができない。どのような絵をにしたいか最初にイメージすることが大事」と河野さん。
会場には、30色近いカラースプレーを用意。「力の入れ具合で噴射量が変わるため、色の濃淡が変わる。ペンキを刷毛やローラーで塗るのとは違う難しさがある。子どもたちにも、その感覚を体験してもらえたら」とも。
下描きが完成すると、子どもたちは用意したカラースプレーの中から好きな色を選び、シャッターに絵を描いた。スプレーの扱いに戸惑いながらも思い思い夢中になる様子が見られた。子どもたちに声をかける近所の人や通りすがりの人の姿も。子どもが参加した親は「シャッターにスプレーで好きな絵を描く機会は、今までもなかったが、これからもきっとないのでは。まるでいたずら描きをしているようだが、とても楽しそう」と話していた。
子どもたちが描き切ると、河野さんが仕上げを施しシャッターアートが完成した。「かぐやdeアミーゴ」の関宏美さんは「この拠点がある場所は、昔とてもにぎやかだった。『朝市通り』と呼ばれ開催日になると多くの屋台が並んだが、現在ではほとんど見かけない。子どもたちが描いた絵が、少しでも通りのにぎわいにつながれば」と期待を込める。