
国際平和デーにちなんだイベント「平和の鐘つき」が9月21日、大原公園(いすみ市大原)で開催された。主催は、いすみ市国際交流協会。
平和の鐘は元々旧大原町の長栄寺(現在は廃寺)にあったが、太平洋戦争終戦後に戦利品としてアメリカに渡った後、1954(昭和29)年、米ダルース市より旧大原町へ返還された。現在は大原公園内の高台に平和の象徴として設置されている。同イベントは毎年、国際平和デーに行われ、10年以上続いている。同協会の藍野彰一会長は「この鐘が縁となってダルース市との姉妹都市交流が始まって今年で35年、県内では歴史ある国際交流の一つ」と話す。
当日は同協会の役員、メンバー約15人が参加。用意した風鈴と風鈴に結びつける短冊にそれぞれ平和への願いを書き、平和の鐘の前につるした。2人1組となって平和の鐘をつくと、鐘の音が風鈴の音と交わりながら街中に響いた。同日にはダルース市内の公園に設置してある鐘でも鐘がつかれたという。
今年8月、ダルース市へホームステイした大原中学校2年の峯嶌恵士さんは「ダルースへ行ったことで世界が結ばれると良いなと思って参加した。戦争がなく、笑顔の絶えない世界を望みたい」と話していた。
藍野会長は「この鐘の歴史や世界平和、国際交流という価値は普遍的なもので、人が代わっても色あせることはない。この鐘つきのような地道な活動から平和な世界につながれば」と願いを込める。