
外房の代表的な磯の生き物を室内で観察するイベント「親子でのんびりお部屋で観察 磯の生き物 入門編」が9月23日、御宿町交流スペースかぐや(御宿町新町)で開かれた。
主催は子育て世代を中心としたボランティアグループ「かぐやdeアミーゴ」。「子どもたちが地域の自然について楽しく学べる機会をつくりたい」との思いから企画した。講師は水産学博士の三次充和さん。外房の海や川、森を遊び場として育ち、現在は大学付属施設でフィールドワークに従事している。
当日は勝浦市内で採集された約30種(全て水産対象種外)を展示。図鑑のほか、虫眼鏡や照明を使った観察ができるよう用意した。カニやヤドカリなどは直接触れる体験も実施。町内外からは親子や地域住民ら約25人が参加し、展示を熱心に観察したり、講師に質問したりして理解を深めた。観察後、生物は全て採集地に戻した。
参加した子どもは「磯で気になっていた生き物を詳しく知れて面白かった」「ヤドカリやカニに触れて楽しかった」「エビがとてもきれいだった」と話していた。保護者からは「海の近くに住んでいても安全面への配慮が必要で準備が大変なこともあり、磯遊びの機会が少ない。室内で安心して観察でき、講師に詳しく教えてもらえて良かった」「今後の磯遊びにも役立ちそう」などの声が聞かれた。
三次さんは「外房の海の生き物は多様で、森林や川、人の暮らしや文化も影響を受けている。この企画がきっかけとなって地域の自然や環境への関心を持ってくれればうれしい」と話す。