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いすみで「まちの空き家リノベ見学会」 先駆者を訪問、古民家の可能性探る

古民家キッチン&ワークスペース「にこまる」。ワンデイカフェや教室などに利用されている

古民家キッチン&ワークスペース「にこまる」。ワンデイカフェや教室などに利用されている

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 空き家だった家を改修し、カフェや宿、イベントスペースを運営するブラウンズフィールド (いすみ市岬町)が12月21日、「まちの空き家リノベ見学会」を開催した。

「芳泉茶寮」では地元の人と一緒に地元大豆を使ったしょうゆなどの加工品作りも進めている

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 ブラウンズフィールドは、空き家を活用し地域を盛り上げていくための「学びの場」として新たに「ブラウンズフィールドの学び舎」を開始。ブラウンズフィールドの渡貫子嶺麻さんは「古民家という地域資源を生かし、実際になりわいとしている人を訪問することで古民家再生の可能性を実感してもらえたらと考えた。単なる見学にとどまらず、参加者と共に考え、学ぶ機会になればと思い企画した」と話す。

 今回は、築160年の古民家を再生した芳泉茶寮(長南町蔵持)、古民家キッチン&ワークスペース「にこまる」(睦沢町大谷木)を訪問。共に移住歴10年以上、古民家再生を通し地域と交流し活動を続けている。

 参加者は30代~60代の8人。県内だけではなく東京や埼玉から参加する人もいた。「空き家のリノベーションに興味がある」「古民家を持っているが、どうしたらいいか勉強したい」「衰退する故郷に帰ってゲストハウスをやりたい」など、参加動機はさまざま。

 訪問先では、実際にリノベーションした古民家を見学。プロの手を借りつつ、自分たちで改修を進めた様子など話を聞いた。にこまるの小林かおりさんは「最初は小屋作りから始めた。実際に手を動かし、さまざまな経験をすることで、知識と自信が得られ古民家改修につながった」と話し、芳泉茶寮の高橋信博さん・裕子さんは「元の姿を大切にして改修を行った。古民家のリノベーションは何を選び、何を諦めるかが大事。我慢と根性ではない古民家暮らしを目指した」と話した。

 参加者からは「おしゃれで魅力的。自分にできるか不安もあるが、チャレンジしてみたい」「古民家に移住して、小さな商いを始める可能性があったので大変勉強になった」「古民家の改修を通して地域が一つにつながっていくことを知り、自分もそうした活動をしていきたいと思った」などの声が聞かれた。

 渡貫さんは「古民家が持つぬくもりや可能性を参加者と共に体感でき、大変うれしい。活発な意見交換を通じて、地域に対する熱い思いや多様なアイデアを感じ、私たち自身も大きな刺激になった。この場がこれから古民家での生活や起業を考えられる方々の一助となり、地域の横のつながりが広がるきっかけになれば」と期待を込める。

 次回は12月12日に開催予定。一棟貸しの宿「居庵 iori-ori」、古民家カフェ「杢珈琲」、明治時代の足袋屋を改装した民芸品店「北土舎」を見学する。

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