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いすみで「杉の資源化と地域の循環」取り組み表彰 計画伐採した杉を活用

「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選出された「家具の大丸」の大谷さん

「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選出された「家具の大丸」の大谷さん

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 農山漁村の地域資源を引き出し地域の活性化や所得向上に取り組んでいる優良な事例を選定する「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に、いすみ市在住大谷展弘さんが選ばれ、1月15日、「家具の大丸」(いすみ市岬町押日)で授与式が行われた。

授与式後は取り組みについて意見交換を行った

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 昨年11月、全国から寄せられた応募の中から農林水産省が30地区を選定した同賞。全国では選定されなかったものの関東農政局が県内応募者から7地区と3人を選定、大谷さんは3人の内の一人に選ばれた。

 大谷さんは家具店「家具の大丸」を営む中で、地域の木の活用に注目。「地元の子どもたちが工場見学に来ると、決まって材料の木の話になる。『なぜ地元の木を使わないのか』という質問も多く、地域の木を使った取り組みができないか考えていた」と話す。

 「8年ほど前に商工会の新規事業創造部会が発足し、地域の杉活用について議論した。思考錯誤しながらさまざまな取り組みを進め、地域を巻き込む展開になっていった」と振り返る。

 杉はニーズの低さや耐久性の問題からあまり活用されていなかったが、岐阜県高山市にある飛騨産業に相談し、圧縮して木材の硬度を高めることに成功。価値を高めたことで商品化が可能になった。「電力会社などが台風などで倒木しないよう計画的に杉を伐採する。この木を活用し、地域で循環できたらと考えた」と大谷さん。伐採、製材、運搬など市内の事業者とも協力し、飛騨産業で天板を製作。新築した岬公民館や長者郵便局のカウンターに活用した。

 「岬公民館のカウンターには一部、近所に暮らす人の敷地にあった杉の木を活用した。大きくなりすぎた杉は厄介者扱いされていたが、活用したいと伝えたところ快く譲ってくれた。『先祖が孫やひ孫のためにと植えた木が役に立って良かった』と大変喜んでくれた。その様子を見て、木は今と昔をつなぎ、地域の循環を生む大事な資産だと改めて気付かされた」とも。

 杉の天板は、市内の一部の小学校の勉強机にも導入。「入学から卒業まで自分の天板として使うことができる。天板は加工することで、折り畳みのちゃぶ台にもできるので、卒業後も活用ができる。同市学校教育課、農林課、危機管理課など、さまざまな部署と取り組みを進めているが、普段から付き合いのある職員も多く連携がしやすい。地域だからできたことでは」と大谷さん。

 「今回の受賞は、チームの仲間の協力があってこそ。一緒に地域課題を解決してきた結果では。千葉県には多くの杉林があるが、そのほとんどが放置されている。自然の循環を考えながら、杉の活用が地域のスタンダードになれば」と意気込む。

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