御宿の温泉旅館「大野荘」(御宿町新町)が客室の一部をオーシャンビューの露天風呂付き和洋室に改装し、4月1日、予約受け付けを始めた。
和洋室は30帖(じょう)の宴会場を分割して15帖2室を用意。海岸を望む露天風呂、部屋にトイレ完備。畳敷の部屋にキリ製ベッドを置き和洋折衷にした。
ベッドは折り畳み式で希望に応じ布団での就寝にも対応する。1室最大5人まで滞在を受け付ける。
大野荘は1964(昭和39)年、民宿として開業創業。1980(昭和55)年に現在の3階建て旅館が完成。24時間風呂の天然温泉と外房特産の伊勢エビとアワビ料理を提供する宿として宴会需要なども取り込み成長してきた。
しかし、コロナ禍で宴会需要がゼロに。宿泊を除き常連客の需要は激減し、かつてない経営危機を迎えた。
このピンチに大学卒業後、カナダ留学を経て、那須塩原で地域おこし協力隊として経験を積んできた長男・大野貴広さんが合流。事業再構築補助金を活用し、今回のリニューアルプランを打ち出した。
内装デザインやコンセプトも貴広さんが担当。30年来の常連客から聞き出し、3世代が宿泊可能な和洋室スタイルを提供することにした。潮風にさらされることを考え、風呂おけには信楽焼を採用した。
宿泊料は2人1室5万2,000円~。15時チェックイン、10時チェックアウト。