「おんじゅくまちかどつるし雛(ひな)めぐり」が2月23日、始まる。「月の沙漠記念館」「手づくりの蔵」など町内約30店でつるしびなを展示する。
今年新しく作った作品と共に18年前に初めてつくったつるしびなも展示している
月の沙漠記念館では17日よりプレオープンを実施。「龍神~つるし雛に願いを~」をテーマにした、色とりどりのつるしびなを展示した。花を模したちりめん細工の「プチ花」約2万個でできたのれんには、大きな龍が描かれた。
御宿町商工会女性部部長の大野和美さんは「今年の干支(えと)が龍なので、そこからテーマを考えた。龍神は雨、水をつかさどり、古くから信仰されてきた神様。龍が天に昇るイメージや雨を降らせることから、勝負運の向上や商売繁盛など多くのご利益があり、縁起のいい神様とされている。『来場した人の願いが昇竜のごとく、かないますように』という思いを込め、制作した」と話す。来場者からは「この数を一つ一つ手作りするのはすごい」と驚きの声が上がっていた。
会場には、赤・青・黄など色ごとにつるしびなを展示している。「自分の『推しカラー』の前で写真を撮ってもらえたら」とも。
同展は今年で18回目を迎える。きっかけは同町商工会女性部の研修旅行だった。「研修先の伊豆で、つるしびなでまちおこしをしていることを知り、自分たちでもできないか考えた。閑散期になる2月の観光イベントになればと、先輩たちが企画し始まった」と大野さんは振り返る。
初めて制作したのは「桃」。その後、回を重ねるごとに人形、魚、白鳥など、凝ったものになっていったという。材料は不要になった着物を使用。近年では、活動を知り着物を寄贈する人も増えている。家に眠っていただけの着物が、つるしびなとして生かされると知り、展示を見に訪れる人もいる。
現在、同商工会女性部員は36人。約半数のメンバーが定期的に集まりながら、約1年かけて準備を進めてきた。
大野さんは「毎年楽しみにつるしびなを作ってくれる高齢者の人もいる。一針一針手作りのつるしびなを楽しんでもらえたら」と呼びかける。
開催時間は、月の沙漠記念館=9時~16時30分、手づくりの蔵=10時~16時、その他の会場は店により異なる。3月3日まで。