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いすみ「源氏ぼたるの里」でシンポジウム 英語ガイドも

パネルディスカッションの様子。多くの人が熱心に話を聞く様子が見られた

パネルディスカッションの様子。多くの人が熱心に話を聞く様子が見られた

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 ホタルの生態系と環境について学ぶ「NO HOTARU NO JAPAN~ほたるがいなきゃ日本じゃない~」が5月26日、山田5区区民センター(いすみ市山田)で開催された。

地元の人の誘導で鑑賞スポットに移動し、ホタルを鑑賞した

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 「勝浦いすみ青年会議所」と「いすみ市山田源氏ぼたるの里を守る会」が共催した。

 同市山田地域の山田川周辺は源氏ボタルが多く生息しており、市ではこの区域を「源氏ぼたるの里」に指定。地元住民と市が一体となって同会を立ち上げ、河川浄化に取り組み大切に保護している。毎年5月下旬~6月上旬には「源氏ボタル」を見ることができる。

 今回、この時期に合わせて、長らくこの地域で研究を続けている房総野生生物研究所の手塚幸夫さんを講師に招き、ホタルの生態系と環境について学ぶシンポジウムを企画した。

 「海外の人にもホタルについて知ってもらえたら」と英語でも参加を呼びかけたところ、国内外合わせて定員の30人を超える申し込みがあったという。

 当日は手塚さんが、ホタルの特徴や光る仕組み、この地域に多く生息する「源氏ボタル」と「平家ボタル」の違いなどを説明。その場で英語にも訳され、熱心に耳を傾ける様子も見られた。日本語、英語の資料もそれぞれに配った。

 山田地域では、ホタルが生息がしやすいよう農薬の散布や餌となる巻貝の採捕の制限のほか、街灯をホタルが嫌がらないオレンジ色の光に変えるなどの工夫を施しているという。

  パネルディスカッションでは、同会の石井博会長と顧問の藤江信一郎さんを交えて意見交換を行った。「30年前に比べると全体的にホタルの数は減っているが、保護活動や環境整備が進み、ここ数年はあまり減っていない印象」「保護活動や環境整備などが進んでいるが、地球温暖化の影響も少なからずあるのでは」など、さまざまな意見が出された。

 その後、現地の人の案内で移動しホタルを鑑賞。初めてホタルを見た人からは「とても感動的だった」という声が聞こえた。

 同会議所の吉清良輔理事長は「初めての企画だったが、多くの人に参加してもらえて良かった。熱心に質問する人も多くホタルに興味を持っている人の多さに驚いた。ホタルが思ったほど出なかったのは残念だったが、天候に大きく左右されることなので仕方がないこと。ホタルの魅力を知るきっかけになったのであればうれしい」と振り返る。

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