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御宿新聞販売店、老舗引き継ぎ1周年 地域の見守りと高齢者サポートも

東金市から同町に移り住んだ「御宿新聞販売店」の味村所長

東金市から同町に移り住んだ「御宿新聞販売店」の味村所長

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 御宿町の老舗新聞販売店を引き継いだ「御宿新聞販売店」(御宿町須賀)が開業し、9月1日で1年がたった。

毎月1日と15日に発行している「味村所長の御宿日記」

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 「君塚新聞販売店」を味村剛さんが引き継ぎ、開業した同店。君塚新聞販売店は、御宿駅の開業を機に創業し、100年以上にわたり地域の新聞販売を担ってきた老舗。

 君塚新聞販売店が後継者を探していたところ、東金市内の新聞店に20年務め、当時店長だった味村さんに声がかかったという。味村さんは「プレッシャーもあったが、声をかけてもらいありがたかった」と振り返る。

 同店では、大手新聞からスポーツ紙まで幅広い種類の新聞を取り扱い、同町内で朝・夕刊の配達を行っている。現在のスタッフは14人。大学生のほか君塚新聞店時代から勤めているベテランスタッフも多いという。

 昨年10月、毎月1日と15日に「味村所長の御宿日記」の発行を開始。手書きにこだわり、新聞に折り込み配布を続けている。「少しでも自分のことを知ってもらいたくて始めた。購読している方と会う機会は少ないが、このような形で地域の人と交流できたら」と味村さん。

 毎回同じルートを同じ時間に回る新聞配達の特性を生かし「地域の見守り」にも力を入れている。「ある日、スタッフが配達をしていると、家の様子がいつもと違うことに気がついた。様子を見てみると倒れている人がいたので、すぐに連絡を取り合い、病院に搬送した。配達地域には高齢者が多いため、今後も地域の見守りを強化していきたい」とも。

 味村さんは「新聞を定期購読している人は高齢者が多いことから、地域の人の役に立てることができたら」と考え、シニアライフサポート協会のシニアライフカウンセラーを新たに取得。介護、健康、相続、不用品整理、保険など、高齢者が抱える困り事や悩み事を総合的にサポートできるような取り組みも進めながら、地域の住民が集えるイベントも積極的に企画していきたいという。

 一方、SNSでも新聞の話題や地域情報などを発信している。「新聞を読まない人も増えてきている中、まずは新聞について知ってもらうきっかけになれば」とも。

 「今後、新聞を購読する人は少なくなっていく。時代の流れには逆らえない。ただ、手から手へ届ける温かみは大事にしていきたい。新聞販売店の可能性はまだまだあると思うので、皆さんに支えていただきながら、さまざまなことに挑戦していきたい」と意気込む。

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