「スマートウオッチを使った健康サポートプロジェクト」の住民説明会が1月18日、大多和医院(白子町南日当)で開かれた。
同プロジェクトは、孤独・孤立の予知と予防実証を目的にPwC財団、同院、テックドクターが協力して行う。スマートウオッチを着けた住民は、デバイスから得られるデータをテックドクターへ提供。同社は取得データを元に、見守りによる早期介入が孤独・孤立の改善に役立つかを検証する。同説明会には町民30人が集まった。
テックドクターの泉啓介医師は、同院の元副院長で、同社創業に伴い院を離れたが、現院長の森徳郎医師とプロジェクトを進めることになった。
白子町で100年以上続く同院は、町のかかりつけ医として地元に根付いた医療をつづけ続け、森院長が就任して、「さらに社会的処方につながる活動を加速させる」という。院内にはセラピー犬がいるほか、施設の裏に広がる森を開拓し、子どもの居場所を作ったり、ワークショップを開いたり、施設内でカフェ運営を行ったりするなどして、地域づくりを実践している。
主に地域づくりを担当しているのは看護師の秋貞真弓さん。新たに子ども向け施設を構想中のなか、わらを使った壁作りのために、自らトラクターを運転し、近所の農家からわらを譲り受ける。
森院長は「ミャンマーやカンボジアで勤務していた時には残念ながら子どもが亡くなる現場をたくさん見てきた。この経験から、医師として、子ども、地域のためにできることはないかと考えながら地域づくりに取り組んでいる。子どもの居場所づくりをすることで、高齢者の孤独、孤立支援にも役立てる。これからも続けていければ」と話す。