「博覧図にみる明治期の千葉ーいすみ地域を中心にー」が1月18日、いすみ市郷土資料館(いすみ市弥正、TEL 0470-86-3708)で始まった。
昭和初期の大原駅前の地図も展示。現在の様子と比べることができる
博覧図は明治時代の中頃、精行社(現在の東京都台東区)が十数編の画集として刊行した同銅画集。神社仏閣や学校、官公庁、旅館、豪農・醸造・商家・漁業関係・医院などの建物を空から俯瞰(ふかん)的に描く「鳥瞰(ちょうかん)図」で精細に描かれている。地方の産業、風俗などの地域色がよく表れており、明治期の様子を知ることができる。描かれた地域は関東を中心に全国に及ぶが、千葉県は他府県に比べ掲載数が多く、中でもいすみ地域を含めた東上総エリアは特に多くの物件が取り上げられている。
同展では市内をはじめ、全国の代表的な銅版画も紹介し、精行社銅版画の概要や、いすみ地域やその周辺の様子が分かる資料なども併せて展示する。当時の歴史や文化、風俗も紹介するほか、出版までの経緯が分かる資料や現在も残る建物との比較ができる資料も展示する。
2月1日と22日には、千葉県教育委員会文化財課の大谷弘幸さんによる歴史教室を開催。3月9日の展示解説は誰でも参加できる。
同施設学芸員の嶺島英寿さんは「ここまで多くの博覧図が見られる機会はとても貴重。この地域は特に多くの建物が描かれた地域でもある。現在の地図や風景と照らし合わせながら、地域の歴史に触れてもらえたら」と来館を呼びかける。
開館時間は9時~16時30分。月曜休館(休日の場合は翌火曜休館)。入館無料。4月13日まで。