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いすみ市商工会女性部主催の「吊(つ)るし雛(びな)展」が2月20日、大原駅前の空き店舗(いすみ市大原)で始まった。
同市でつるしびな作りが始まったのは20年ほど前。旧大原町商工会女性部が、隣町の御宿町商工会女性部から地域おこしの一環として始めたつるしびな作りに誘われたのがきっかけ。つるしびなで地域を盛り上げている、伊豆半島にある東伊豆町稲取地域まで視察と研修を兼ねて訪問し技術の向上に努めたという。部長の仲佐やよひさんは「当時研修に誘ってくれた御宿町商工会女性部の方々にはいろいろ教わり感謝している」と振り返る。10年前に展示会を初開催し、2~3年続けたものの諸般の事情で中断。4年前、再開にこぎ着けた。同会場での展示は今回で4回目。
作品は地域を代表する花であるツバキや菜の花をモチーフにしたつるしびなが中心。素材は古い着物をなるべく活用している。地域住民も寄贈するなど協力し、9割以上の作品で正絹の着物を使った。
つるしびな作りは同市内のコミュニティー施設「おらげ」で毎月1回集まり講習会を開き、毎回15~20人が集まって腕を磨いた。部員の中には、1週間で約50個のペースでつるしびなを制作して、展示会の準備を進めた。今回の展示会では、新たに約1500個のつるしびなを制作した。
期間中、部員の作品販売も行う。本物の竹を使った「いすみのかぐや姫」、アワビの殻を利用した「あわび姫」、ヒラメやメザシをモチーフにした作品など多彩な作品を並べる。
仲佐さんは「部員みんなで心を込めて作った作品の数々を見てほしい。回を重ね展示会場を増やし、ゆくゆくは常設の展示ができるようになれば」と意気込む。
開催時間は10時~15時。入場無料。3月3日まで。