いすみ鉄道の車両を活用した「こども食堂×い鉄ブックス図書館」が11月15日、いすみ鉄道大多喜駅構内で開催された。
きくらげとコーンバター炒め、サツマイモのレモン煮、ローゼルをのせた柿みそ豚。 レンコン汁も提供した(写真提供=Yellow)
同イベントは、大多喜町に移住し子育てに携わる3人で立ち上げた任意団体「New Neighbors(ニューネイバーズ)」が企画。大多喜町は児童館など屋内で遊べる施設が少なく「子どもたちが室内で楽しく過ごせる場所はないか」と考えていた時に「復旧工事中で長期運休が続くいすみ鉄道を盛り上げられたら」という思いが浮かび、車両活用のアイデアが生まれた。ボランティア団体「大多喜町健康・食育サポーター」に当日の食事メニューの考案、調理を担当してもらうことで子ども食堂が実現した。
当日は10時から、いすみ鉄道大多喜駅2番線ホームに2両編成の列車を据え置き、1両目のボックスシートタイプの車両とホーム上を食事スペースとして開放。2両目は、いすみ鉄道と地域のために寄贈本を活用する「い鉄ブックス」が絵本や図鑑を持ち込み、子どもたちが楽しめる図書室を開設した。
こども食堂では12時・13時の2部制で食事を提供。料金は、小学生以下は無料で、引率の大人は300円。メニューは、柿みそ豚丼とレンコン汁で、デザートにはきなこプリンを用意した。ほとんどの食材は活動に賛同した町内の農家から提供された。合計60食を用意した。
ニューネイバーズの小松佳奈美さんは「開催直前になって、町内の子どもたちの間でインフルエンザが流行した。当日来てくれるか心配だったがたくさんの人に来てもらえ、いすみ鉄道の車両内で食事を楽しんでもらえて良かった。『久しぶりにいすみ鉄道に乗れた』などうれしい声もあった。いすみ鉄道の車両を活用した取り組みは、まだまだ可能性がある。今後は子どもだけではなく、大人も楽しめるイベントもできたら」と意気込む。