千葉県立大原高校(いすみ市大原)で12月4日、「大原高校と地域の未来コンソーシアム」が開催された。
来年度の遠隔地からの生徒受け入れに向けて現状を報告する渡辺校長
「大原高校と地域の未来コンソーシアム」は、入学志願者が減少傾向にある同校の志願者減少を食い止め、地域と共に存続・活性化を図り、魅力ある学校に発展していくための学校・市民・行政の協働を生み出す場として2021年より実施。同校の教職員・地域住民を中心にいすみ市職員、教育委員会、地域商店街や商工会、保護者や卒業生などが参加し、ワークショップを通して学校や地域が抱える課題、地域としての理想像、課題の解決や発展に向けた持続可能な取り組みについて対話を重ねている。
同校では、県内で3校しか設置されていない水産業について学ぶカリキュラムがあり、コンソーシアムでは度々、「この特徴を学校の魅力の一つとして、生徒募集につなげられないか」と話題に上がっていた。参加者からの働きかけもあり、渡邉嘉幸校長が県教育委員会と交渉し、来年度の入試から、遠隔地からの生徒募集につながった。
今回は約30人が参加し、「大原高校への遠方からの生徒受入れ」「大原高校と地域との取り組み」「大原高校の特徴である海洋科学の学習内容の向上」「総合型選抜入試に向けたら取り組み」など、テーマごとにグループに分かれ意見交換を実施。
遠方からの生徒受け入れについては、地域課題となっている空き家を活用しつつ、食事面など住環境の充実を意識した学生寮の拡充、海洋科学の学習については、地元漁協や水産事業者と連携した実地カリキュラムや実習船等設備の充実、漁法のみならず、海産物の流通・販売、水産業・漁業の経営についてなど、生徒がより実践的な内容を学べる体制づくりなど、地域資源を生かしながら生徒をサポートするアイデアが出された。
参加を続けている辻田知則さんは「ここで皆と話し合ったアイデアが本当に実現していくことが面白く、この取り組みの醍醐味(だいごみ)と感じている。参加者が増え、より意見交換が活発になれば」と期待を込める。
渡邉校長は「昨年度まで議論して準備してきた『遠隔地からの入学希望生徒の受入れ体制づくり』についての現状を参加した皆さまに報告することができた。受け入れに付随する諸課題についても有益な意見を頂けた。今後も、たくさんの人に関わっていただくことで、今まで以上に特色ある地域の学校になっていけたら」と先を見据える。