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長南で古民家をアップサイクル 土壁作り体験会で「結い」の作業

土壁作りを指導をするウルトラ古民家防衛軍の長谷川さん

土壁作りを指導をするウルトラ古民家防衛軍の長谷川さん

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 「ウルトラ古民家防衛軍」が主催する土壁作り体験会が12月14日・15日、長南町又富の築100年以上の古民家で開かれた。

土壁作りの作業は小さな子どもたちの「手」が大活躍する

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 ウルトラ古民家防衛軍の長谷川朋之さんは、2004(平成16)年に東京都内から同町に移住し、家屋リノベーションの仕事や土壁補修などの体験会を通じ、古民家を守る活動に取り組んでいる。

 体験会には2日間で町内外から延べ30人ほどが参加。1日目は、敷地内の竹を伐(き)って割る作業で始まり、竹小舞を編む作業を行った。2日目は竹小舞を仕上げ、古民家を一部解体した時に出た土壁を、木づちなどを使い粉砕。それに刻んだ稲わらと水を混ぜ、練り上げて材料を作り、竹小舞に塗る作業が行われた。

 長谷川さんは「稲わらは、『納豆菌』などの発酵菌による粘性とスサの両方で土壁の強度を高めるために重要な役割を果たす」と話す。

 同町に移住を予定する古民家オーナーの男性は「土壁塗りはいざ一人でやろうとするとできない。多くの人が集まり、竹小舞や材料を作る人、塗る人がいてあっという間にできた。昔の人も『結い』の作業でやってきた。それぞれがつながり合い、楽しく作業出来たことに感謝の気持ちでいっぱい」と振り返る。

 長谷川さんは「昔の人は家を建てる時、柱や梁(はり)は大工の仕事で、土壁塗りは昔から家族が出来た仕事。特別な道具は使わない。土壁が揺れを受け止め柱や梁を守る『免震構造』を備えている。地震や経年劣化で崩れた土壁は、自分達たちの手で何度でもアップサイクルできる」と話す。

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