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長南中の総合学習で伝統の「袖だこ」作り 保存会が継承に尽力

長南袖凧保存会による制作指導やたこの揚げ方のレクチャーも

長南袖凧保存会による制作指導やたこの揚げ方のレクチャーも

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 長南町立長南中学校(長南町長南)で12月3日、伝統の「長南袖凧(そでだこ)」作りの制作授業が行われた。総合学習「ふるさと学習」の一環。

袖たこにひもを取り付ける作業

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 200年ほど前に誕生したといわれている長南袖凧。物干しにかかった浴衣の形や職人のはんてんの形をイメージして江戸時代に考案された。「長南とんび」の別名もあり、珍しい形で近隣地域にも広まり、初節句を迎えた子どもの健やかな成長を願い大空に揚げられてきた。

 制作を指導したのは「長南袖凧保存会」。1994(平成6)年に同好会ができ、翌年に保存会が設立された。
 同会代表の竹林定夫さんは授業の中で、「大正時代は200人くらいの作り手がいて、朝市で売っていた。袖凧を通じて将来町外に出ても、ふるさとを思い出してほしい。作る喜び、たこを揚げる喜びを感じてほしい」と生徒らに話した。

 生徒らは11月5日、和紙を切り抜いて作られたたこの型にボンドで竹ひごを付ける作業を行った。美術の時間には、それぞれの好きな文字や絵を描いて絵付けを行い、12月3日、たこにひもを取り付け、結ぶ作業を行った。完成した袖凧を手に、保存会や教師らに見守られながら、グラウンドでたこを揚げ、歓声を上げながら夢中になり走り回った。

 女子生徒の一人は「ひもを結ぶことのが難しかったけれど、揚げたら楽しくて気持ちが良かった」と話していた。

 制作には保存会のメンバーのほか、学校支援ボランティアがサポート。ボランティアの一人である長谷川朋之さんは「長南袖凧のスタイルには歴史がある。『たこ』という存在そのものに興味を持ってもらえたらうれしいし、揚げる喜びをもっと感じてもらいたい。江戸時代の袖凧はアドバルーンとしての役割もあった。この体験を通じて郷土の歴史に興味を持ってもらい、生徒たちが自分をPRする方法を学んでもらえたら」と振り返る。

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