
いすみ鉄道沿線にある千葉県立大多喜高校(大多喜町大多喜)と大原高校(いすみ市大原)の卒業式に合わせて3月5日と6日、いすみ鉄道の駅に卒業を祝う看板が設置された。
看板を設置したのは大多喜駅と大原駅。「卒業おめでとう」と書かれた看板には、桜と菜の花を描く。同鉄道は昨年10月の脱線事故の影響で現在も運休しているが、代行バスを運行し、生徒の通学を支えている。
いすみ鉄道の吉田貴文さんは「この看板は毎年、2校の卒業式に合わせて設置している。当鉄道を利用し通学している生徒は全体で120人ほど。そのうち、今年は大多喜高校で40人ほど、大原高校で30人ほどが卒業式を迎えた」と話す。
通学で利用している生徒は毎日同じ時間に列車を利用することが多い。「何度か顔を合わせるうちに親しくなることが多い。生徒会や地域活動などを通して関わることも多く、生徒たちとの距離がとても近い。私も、月に何回かの窓口業務のほか、地域活動などで一緒になることが多いが、運転士たちは、より日々の接点が多いのでは」とも。
吉田さんは「3年前、私が入社したときに入学した生徒が今年で卒業を迎えた。この3年間で生徒一人一人の成長を感じる。会えなくなるのは寂しいが、新しい出発を応援したい」とエールを送る。
同社では毎年、両校の入学式に合わせて入学を祝う看板も設置している。今年は4月7日を予定する。