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いすみ・田園の美術館で企画展 75年前の暮らし伝える「国吉タイムス」も

1950年に創刊した「国吉タイムス」。国吉地域の当時の暮らしを知ることができる

1950年に創刊した「国吉タイムス」。国吉地域の当時の暮らしを知ることができる

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 「いすみ市の文化財展」が8月2日、いすみ市郷土資料館(いすみ市弥正、TEL 0470-86-3708)で始まった。

紙面に描かれた似顔絵と肖像画を見比べることもできる

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 同展では、いすみ市指定文化財展である「瀧内神社の木造造毘沙門天(びしゃもんてん)」「円蔵律寺の二の舞面」、「狩野永俊筆『虎渓三笑』」のほか「国吉タイムス」を展示する。

 国吉タイムスは、1950(昭和25)年8月、国吉町公民館から創刊されたガリ版刷りの新聞。1954(昭和29)年4月、千町村・中川村との合併により国吉町が消滅するまでの約4年にわたり44号が発行された。

 今回の企画を担当した伊藤睦美さんは「国吉タイムスは、長らく資料室に保管されていたが、なかなか展示する機会がなかった。今年4月ごろに企画を考え始めたが、紙面を読み込んでみると当時の暮らしが鮮明に浮かび上がってきた。かつて使われていた婚礼用着物や当時の資料などと結びつけ展示ができたらと考えた」と話す。

 会場には、仕事や暮らし、婦人会や地域活動などテーマを設け、それぞれに関連する資料を展示し、「理解が深まる工夫をした」という。題字のデザインなど紙面の変遷についても紹介する。複製を用意し、実際の紙面サイズで1号から44号まで読むこともできるようにした。

 「創刊号から4号までは活版印刷だったが、5号からはガリ版印刷になった。自由度が増し紙面に味わいが出たのでは。手書きの良さも感じる」と伊藤さん。

 「創刊号から読んでいくと、文章を書くことが得意ではない人が手探りで発行を続けていた様子が分かる。その時代にこの地域で何か起こっていて、そこに暮らしている人が日々何を思っていたのか、感じてもらえるのでは」と来館を呼びかける。

 開館時間は9時~16時30分。月曜休館(休日の場合は翌火曜休館)。入館無料。9月23日まで。

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