野見金公園(長南町岩撫)で10月19日、「のみがね峻道全線開通イベント」が開催された。
新ルートの「こもれびの道」は谷津田や杉林を歩いたり、身近な里山の自然を感じたりすることができる
主催は地元水沼地区の70代を中心としたボランティアグループ「のみがね会」。「のみがね峻道」は、同会が足かけ8年をかけて、かつて「かや」を運搬していた古道や獣道をトレッキングロードとして整備。今年に入り新ルート「こもれびの道」の完成に伴い、全線開通を記念してイベントを開いた。
当日、目玉イベントとしてガイド付きウオーキングツアーを実施。20人ほどの参加者が全線開通した「のみがね峻道」の3キロの道のりを約2時間弱かけて歩いた。ガイドは、同会のメンバーと地元の森林インストラクターが担当。整備にまつわる話、歴史や文化、自然の植生など多岐にわたる内容を話した。
県内からウオーキングに参加した60代の女性は「獣道を歩きやすい道に整備してくれた『のみがね会』に感謝している。自分で気軽に行ける山を探していた。長南町にまた来たいと思った」と話していた。
ウオーキングツアー終了後は、完成記念式典を行った。同会広田元一会長は「地元の魅力を再確認し、より良い地域にしようと里山の中を歩く道を作った。岩を削り、谷に橋をかけ、重機が入らない急斜面には人の手で一段一段、階段を築いた。重機が油を吹き出したこともあった。幸い誰もけがをすることなく完成までこぎ着けた。全て新たな挑戦だった。健康づくりや憩いの場として役立ててもらいたい」とあいさつした。
会場では、共催者で移住者のグループ「C&A企画」が中心となり、「丸太引き」や町内で定期的に行われている「季のマルシェ」を同時開催。キッチンカーや飲食店などが出店したほか、町特産品のレンコンも販売した。同会は「里山の恵みがふんだんに味わえる」飲食ブースを設け、ぼたん汁の販売やイノシシのバンザイ焼きのを振る舞いを行った。
のみがね会参与の古市仲司さんは「のみがね峻道は、自分の責任で自由に歩くことができるが、今後のメンテナンスが課題。今回のように自分たちだけでなく一緒にイベントを企画してもらう人を増やし、ファンや協力者を募っていけたら」と期待を込める。