
岩瀬酒造(御宿町久保)の敷地内にある旧長谷川病院で11月18日、期間限定ギャラリーがオープンした。
秋の企画展「ONJUKU まるごとミュージアム」の一環。会場となっているのは東京タワーや大隈講堂、二代目通天閣などを手掛けたことで知られる建築家、内藤多仲(たちゅう)の設計とされている旧長谷川病院。
同町在住の住民らでつくる市民団体「御宿ネットワーク」に所属している岡本初代さんは「地元の方にもあまり知られていない由緒ある建築物を多くの方に知っていただくためのきっかけづくりとして、今回この場所で伊万里焼の器やつるしびななどを飾った展示会を開いた。持ち主の方は『ここにたくさんの人が来てくれるのはうれしい』と言い、ここを無料で貸してくださった」と話す。
岡本さんを中心に多くのボランティアが集まり10日間ほどかけて展示会の準備をした。最初は室内にツタや泥が入り込んでおり、まともに窓や扉が開かなかったという。掃除機や拭き掃除を何度も行ったり、草取りや木の伐採などをしたりした。
期間中、岡本さんの所持品である昔の伊万里焼の器や同団体に所属しているメンバーが作ったつるしびななどを展示する。ほとんど当時のままだという手術室では、昭和時代の40年余り「海女の楽園」を撮り続けた写真家・岩瀬禎之の作品を常設展示している。
岡本さんは「いろんな方に手伝っていただき、楽しく準備をすることができた。ここにお越しいただき、楽しいひとときを過ごしていただければ。来年はまた違った展示会を開きたい」と笑顔で話す。
岡本さんと一緒に準備を行った同団体のメンバーは「イベントを通して人との付き合いが濃くなった。みんなで力を合わせて楽しく準備ができたので、他のこともできそうな気がする」と話す。
開催時間は10時~16時。今月26日まで。