鴨川シーワールド(鴨川市東町)が2月24日、北海道大学の仲谷一宏名誉教授を招き、小・中学生を対象にメガマウスザメの特別レクチャーおよび公開解剖を実施した。
今回のメガマウスザメの捕獲記録は、世界では111例、日本では22例の世界的にも非常に珍しいサメ。公開解剖を行ったのは、2017年5月22日に房総半島の南に位置する館山市洲崎沖の定置網に迷入し、翌朝死亡した体長5.4メートル、体重1.2トンの大型の雌の個体で、その希少性から調査研究に役立てることを目的に同園で引き取り、冷凍保存していたという。
「さめ先生」とも呼ばれている仲谷名誉教授の特別レクチャーでは、サメの生態やメガマウスザメに関する講義が行われ、参加者は水族館で行われた学びの場に興味を寄せていた。続いて行われた公開解剖は、沖縄美ら海水族館と大阪・海遊館の解剖経験者の協力の下、仲谷名誉教授の解説を交えながら進み、初めて目にする巨大なプロモーションと特徴的な大きな口に、参加者からは驚きの声が上がっていたという。同園は解剖の結果、世界初の例と考えられる「卵殻」を発見したため、引き続き調査を進める。
公開解剖に参加した小・中学生49人にはメガマウスザメから切り取られた皮が記念品としてプレゼントされた。今後同園では、採取した骨を使い標本の制作に挑戦する。成功すれば世界初のメガマウスザメの全身骨格標本になるという。
同園の広報担当者は「内蔵が見えてしまうので子どもたちが怖がるかなと思っていたが、事前に仲谷教授に解説していただく時間があったため、積極的に触ったり、観察したりしていたのが印象的だった。世界でもメガマウスの全身骨格標本はないため、どうなるか分からないが、完成は2018年度内を予定している」と話す。