小湊小学校(鴨川市内浦)で3月17日、第1回「100人会議」が行われた。
鴨川市は、同市小湊地区の廃校予定の小学校と、隣接し既に廃校となっている中学校の跡地活用を中心とした地域の活性化を検討するため、無作為に選んだ市民が委員となる「小湊地域の活性化と学校跡地活用を考える100人会議」を設置し、約半年にわたって議論する。
同企画は、政策シンクタンク構想日本が2014年に始めた「住民協議会」の手法を用いて行う。これは政治や行政と接点の少なかった市民が地域の課題を「自分ごと」として考えるための取り組み。少子化が進み全国の自治体で小中学校の統廃合が進められており、廃校の跡地活用は全国的な課題とされている。市民が中心となって活用策を考えるこの取り組みは、全国の自治体から注目されているという。
参加する市民が「日蓮上人ゆかりの地域資源をどう位置付けるか」「海と山の優れた自然をどう生かすか(漁業のこれから)」「観光地としての生き残り策(小湊鉄道との連携など)」「少子高齢化に対応した地域をどうつくるか」の4つのテーマに分かれ、今後5~6回にわたり議論する。
1回目は、無作為により選出された市民約60人、大学生・高校生約10人、小湊地域の関係団体など約30人が集まった。主な検討対象は、旧小湊中学校と2019年4月に統廃合が決まっている小湊小学校。小湊スポーツ館、小湊幼稚園、ひかり保育園を含む一帯のほか、小湊地域全体についても議論の対象としている。
参加した市民からは「小湊小学校は自分の母校なので、跡地の活用についてしっかりと考えていきたい」「子どもが統合後に小学生になる。将来的には跡取りとしてこの地域に住んでほしいと思っているので、そういう地域にできるように跡地のこともしっかり議論したい」などの声が上がったという。
亀田郁夫市長は「会議の名称にもあるように、地域の活性化という視点から学校の跡地活用の方策を市民と検討していきたい。議論を受けて具体的な活用策を決めたい」と話す。
「100人会議」の運営に協力する政策シンクタンク構想日本代表の加藤秀樹さんは「この会議のキーワードは『手作り』。自分で作ったものは買ってきたものよりも愛着がある。まちづくりも同じでは。小中学校の跡地をどうするか、住民同士で議論することを通して、鴨川市のまちづくりが『手作り』で行われていくための場づくりをしていきたい」と話す。
第2回は4月22日、第3回は5月13日を予定。会議は全て傍聴自由。