八幡神社(御宿町上布施)の秋祭りが9月29日に開催される。
五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全を祈願して行われる祭り。1955(昭和30)年の市町村合併の前まで存在していた布施村の地域で行われている。
八幡神社は、第15代応神天皇「誉田別命(ほんだわけのみこと)」が祭神。武運の神「弓矢八幡」として崇敬を集め、全国に700~800社余りある日本で最も多い神社といわれている。
同神社のみこしは187年前の1831年に作られ、その後1880(明治13)年、1947(昭和22)年、1985(昭和60)年の3回の大規模な修繕を経て現在に至る。
当日は各地区のみこしが旧布施村エリアを練り歩く。見どころは、旧布施村にある最大7社のみこしが三島神社(いすみ市上布施)に集まり、おはらいをする地域の村回り。町文化財の八幡神社の社殿に奉納された江戸時代からのお伊勢参りの絵馬をはじめ、小幡地域では町無形文化財の「お神楽」も披露される予定となっている。新宿、新久井、立山、小幡の休憩場所ではおはやしも披露される。
旧布施村エリアでは、祭りが近づくとみこしが通るルートの草を全て刈るなどの準備を住民主体で行う。長年受け継がれている風習で、自然と当たり前になっているという。
今年の総代長の吉田剛さんは「市町村合併で布施村が分かれてしまったが、氏子に関しては、布施村でやっている。近年では担ぎ手の減少でみこしを出す地区が減った」と話す。
総代を務める小幡地区の石井誠さんは「本来7社が集まるところ、昨年は3社ほどだった。担ぎ手は1社に対して30人ほどしかいない」と話す。
総代の新久井地区の大地和美さんは「八幡神社のみこしはよく目立つ。重さは1トンくらいあるし、御宿でも一番大きいと思う。担ぎ手がだんだん減ってきているが、最低でも30人はいないと担ぐのがきつい」と話す。
八幡神社では建屋の老朽化が目立ち、氏子総代の中では修復の計画を立てているという。総代の新宿地区の佐藤恒雄さんは「八幡神社は年々さびなどで悪くなってきている。若い世代たちのために残していかなきゃいけないから何とかわれわれの代で部分修理をして、後世につないでいきたい」と話す。