埼玉県の毛呂山(もろやま)町、鳩山町、越生(おごせ)町の3町により構成される西入間(にしいるま)広域消防組合の消防団役員が10月21日、御宿で視察研修を行った。
御宿町は千葉県内の高齢化率1位で、鳩山町は埼玉県内の高齢化率1位という状況や、主だった産業が少なく観光がメインになっている町の状況が似ていることから、小さい町ならではの課題や情報の交換などを目的に今回御宿で視察研修を行うことが決まった。
当日は同組合に所属する3町の消防団役員25人が参加し、「鶏卵牧場・レトロぶーぶ館」(御宿町実谷)敷地内にある「消防自動車館」を視察した後、御宿町の消防団役員との意見交換会を行った。
消防自動車館は消防車マニアの鈴木靖幸さんのコレクションである消防車グッズや消防ミニカーをはじめ、実際の消防車15台や救急車1台、昔の防火服、火の見やぐらなど消防にまつわる展示品が数千個並ぶ。同施設では日本の消防の歴史を1629年から見ることができる。
意見交換会は御宿町役場で行われ、御宿側からは消防団役員11人が参加した。互いに重要な案件となっている新入団員の確保や出初式、消防操法大会についてなどを中心に意見交換や情報共有が行われた。毛呂山町、鳩山町は全国消防操法大会にも出場経験がある。
西入間広域消防組合支部長の柳澤一好さんは「どこの地域でも消防団員数の減少、加入促進の難しさという問題は共通していて悩みの種は同じなんだと改めて感じた。御宿消防団の方は団員数の減少と定数に対する充足率の低さを気にされていたが、実数の160人は人口7600人に対する比率としては高い方だと思った」と話す。
「主だった産業も少なく、観光に頼りがちな環境の中、お互いに若者離れも進んでいく状況という共通点を踏まえ、いつ起こるか分からない災害などに備えるために地域防災の要としての消防団を充実させることの意義、町の情勢の変化にも対応しながら消防団を運営していくことへの大切さを感じさせられた研修ができた。今回視察研修を快く受け入れてくださった御宿町の関係各位ならびに消防団の方々には心より感謝している」とも。