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夷隅のフリーペーパー「いすむすび」 最新号で勝浦「旅館 松の家」を紹介

編集部の片岡聡さん(左)、堀口さん(中央)、大和田さん(右)。それぞれ得意な分野で編集に携わっている

編集部の片岡聡さん(左)、堀口さん(中央)、大和田さん(右)。それぞれ得意な分野で編集に携わっている

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 夷隅地域の情報を発信するフリーペーパー「いすむすび」の最新号(4号)が2月10日、発行された。

編集所のカフェ「とき々堂」には、バックナンバーがそろう

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 千葉県建築士会夷隅支部ISUMIエコミュージアム推進部会が発行する同誌。デザインは、カフェ「とき々堂」(勝浦市貝掛)デザイン部が担当している。

 編集長で一級建築士の堀口智子さんは2018(平成30)年、都内から勝浦市に移住後、歴史が好きなことから「ちばヘリテージマネージャー」認定講座を受講。

 「歴史的建造物の保存や維持、活用方法など専門的な知識を身につけ、地域づくりに生かせれば」と考えたという。

 共に受講していた、いすみ市在住の荘司美智子さんと課題のために地域の古民家を調べていたところ、建物の構造や間取りだけではなく、そこには人が暮らした歴史があったことに気がつく。「どんな人が、どんな思いでそこで暮らし、地域の人と過ごしていたのか。地域の文化が、そこにあった」と堀口さんは振り返る。

 「日々の暮らしは当たり前過ぎて伝えられていかない。近い将来、この事実を知る人たちがいなくなってしまうのではと危機感を感じ、これらを形にし、伝え残していきたいと」と考え、荘司さんやその思いに共感した人と共に2020年1月、0号を発行。課題で訪れ発行のきっかけとなった古民家と、その地域の歴史について紹介した。

 その後、年1号のペースで発行。最新号では、勝浦市内にある「旅館 松の家」を紹介している。

 同館は江戸時代に創業し約150年続く老舗旅館で、登録有形文化財に登録されている。当初、文化財の視点から取材を進めたが、女将(おかみ)であるの渡辺久恵さんから昔の様子や地域の文化などを聞き、内容を再検討。

 今回から記事の編集に加わった大和田里奈さんは「何度も何度も足を運び話を聞いた。方言や昔の言葉などなじみのないことも多かったので、確認しながら記事をまとめた」と振り返る。出来上がった冊子を渡辺さんに届けると、とても喜んだという。

 「地域の文化は口述で伝えられていることが多い。『いすむすび』を通して、眠っている人々の文化や歴史を伝えていけたら」と堀口さんは話す。

 同誌は主に、夷隅地域の公共施設や飲食店、銀行などで無料配布している。

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