築120年の古民家を改修したシェアキッチン&ワークスペース「nicomaru(にこまる)」(睦沢町大谷木)が5月9日、オープンした。
「三つ八(みつばち)茶屋」のデザートかき氷。季節に合わせてさまざまな自家製シロップを用意している
オーナーの小林かおりさんは夫の孝浩さんと共に2012(平成24)年、同町にカフェ&ゲストハウス「sou(ソウ)」をオープン。米づくりやみそづくり、山林開拓など里山の魅力に触れ地域の人と交流をする中、「やりたいことが増えていくにつれ、手狭になっていった」という。
2021年夏、縁があり近くの古民家を購入し、修繕と改修を始めた。「souも、プロの手を借りながら約3年かけてセルフビルドしたため、今回も自分たちでできることは、自分たちの手で修繕をしようと思った」と小林さんは振り返る。
「既にカフェとゲストハウスをやっていたので、新しい拠点を同じように運営するのは難しかった。『何かやってみたい』という人を応援できる場にしたいと考え、小さなチャレンジとして1日から店が開けるシェアキッチンにした」と話す。
8日のプレオープンには近隣住人を招待した。小林さん夫婦が日頃から世話になっている人のほか、孫を連れ歩いて訪れる人の姿もあった。訪れた人からは「ボロボロだったあの古民家がすてきな空間に生まれ変わって驚いている」「歩いて来られる場所にお店ができてうれしい」などの声が聞かれた。
5月は、水曜から金曜、「三つ八(みつばち)茶屋」が営業。ランチプレートのほか、自家製シロップのデザートかき氷を提供する。火曜は地元鶏卵農場「みのりファーム」とかおりさんとのコラボカフェ「iroha(いろは)」が営業。「シンプルでボリューム満点のたまごサンドを味わってもらえたら」とかおりさん。
「今後、新しい挑戦をしたい人を応援しつつ、私自身も季節の農産物を使った加工品や漬物の製造など行っていく予定。毎日の暮らしを楽しむ季節の手仕事のワークショップも企画していきたい。みそづくりや梅仕事、ジャム作りなど、この土地ならではの体験ができる場になれれば」とも。
今月の営業時間は11時30分~15時(火曜は14時まで)。土曜は予約制。日曜・月曜定休。