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いすみ・岩船漁港で素潜りアワビ漁解禁 イセエビ漁の禁漁期間に

岩船漁港の漁師たち。これからの季節、海の状況を見てほぼ毎日潜るという

岩船漁港の漁師たち。これからの季節、海の状況を見てほぼ毎日潜るという

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 素潜りアワビ漁が6月7日、いすみ市の岩船漁港で解禁された。

水揚げされた「黒アワビ」と「メガイアワビ」の状態を確認する様子

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 太平洋に面している同市。近郊の漁場ではイセエビ漁が盛んで、大原漁港は日本屈指の漁獲量を誇る。6~7月は毎年禁漁期間になるため、アワビ漁などが行われる。釣り船も盛んだという。

 大原漁港の南に位置する岩船漁港には、大型船4隻、小型船13隻があり、船長一人のみが乗る船もある。イセエビ漁の禁漁期間中は素潜りでアワビ漁を行う。

 今年は、当初の予定より1日遅れの7日に解禁。朝8時ごろに漁師たちが集まり、海水の透明度や波の状況などを確認し、解禁を決めたという。

 解禁日には、船に乗り合わせて沖に出て行うグループと、海岸の浅瀬から潜るグループの2組に分かれ海へ出発。船にはベテラン漁師が多く乗り合わせた。

 自身の体重だけでは深くまで潜れないため、体重の10分の一前後の重しをつけて入水(にゅうすい)する。岩に着いたアワビを剥がすための道具のみで漁を行い、浮き、網、フィンなどの道具も用意する。「ゴーグルが曇った際に、ヨモギの葉で拭くと曇りが取れる」という昔ながらの知恵も生かしているという。

 初日は9時30分ごろから11時ごろまでのおよそ1時間30分、漁を行い、「クロ」と呼ばれる「黒アワビ」、「アカ」と呼ばれる「メガイアワビ」が水揚げされた。それぞれ収穫したアワビの大きさや重さ、傷の有無などの状態を確認し、記録。大原漁港の組合に届けられ競りにかけられた。

 陸に上がった漁師同士、海水の様子や、漁の状況、貝が多く生息していたスポットなど情報交換がされた。この日初めて素潜り漁を体験した人に先輩漁師がアドバイスをする姿も見られた。

 Uターンし漁師になった吉田裕樹さんは「この日は15枚ほどアワビを見つけることができた。自分の体一つで漁ができる素潜り漁は過酷だが面白い。水中の宝探しのようだ」と話していた。

 岩船漁港では組合が休みの日曜を除き、海の状況を見て素潜り漁を行うという。

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