地域の自然に触れ地域への理解と関心を深めることを目的とした、いすみ市立浪花小学校の校外学習「磯観察」が6月6日、岩船海岸で開催された。
この校外学習は1970年代半ばから続く恒例行事。同校から徒歩30分ほどの場所にある岩船海岸を全校児童で訪れ、実施している。児童だけではなく保護者や地域住民も一緒に参加するのが特徴。
同校を卒業した保護者も多く、毎年この機会を楽しみにしている人もいるという。子どもが小学校を卒業したものの「参加したい」と加わる地域の住民もいた。手作りの銛(もり)などを持参する大人の姿も見られ、「子どもよりも大人が楽しみにしているのでは」という声も聞かれるほど、今年も多くの人でにぎわった。
磯観察が始まると、児童だけではなく大人たちも足まで海に入り、全身ぬれることも気にせず生き物や貝などを探した。岩場の影を注意深く観察する姿も見られた。
この地域で「ござらー」と呼ばれるアメフラシをバケツいっぱいに捕まえ、「紫色の液体が出るんだよ」と、大人たちに声をかける児童や、タコやヤドカリを捕まえた児童もいた。低学年児童と共に生き物を探す高学年児童の姿も見られた。
近くに暮らす80代女性は「普段はほとんど人のいない海岸だか、この日は毎年、子どもたちだけではなく親や地域の人が集まりにぎやかになる」と話し、児童と共に海の生き物や海藻を探した。
同校の全校児童は現在36人。少子化が進み1クラス10人以下の学年もあるが、学年を超えた交流があるという。校外学習でも、「地域の人との触れ合いを通して人間関係の構築を図っている」という。
田中康士教頭は「今年も多くの親や地域の人に協力いただき開催できて良かった」と振り返る。