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いすみ鉄道で高校生発案の「音鉄」企画 貸切列車に寝そべり音を楽しむ

ビニールシートの上に寝そべり、エンジンの音を楽しむ参加者(写真提供=いすみ鉄道)

ビニールシートの上に寝そべり、エンジンの音を楽しむ参加者(写真提供=いすみ鉄道)

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 いすみ鉄道と昭和鉄道高校(東京都豊島区)のコラボ企画「い鉄で音鉄」が7月13日、いすみ鉄道で開催された。

乗車車両「キハ52」には専用ヘッドマークとサボが取り付けられた(写真提供=いすみ鉄道)

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 いすみ鉄道では2021年から、同鉄道を将来残していくためのアイデアを高校生から募集する「い鉄甲子園」を開催。昨年、優秀賞を受賞した昭和鉄道高校鉄道研究部のアイデアが、「いすみ鉄道の存在価値を十分に生かした実現可能な内容」だったことから、実現に向けて1年かけて準備を進めた。

 当日は、20~60代の幅広い世代の同高校のOBや鉄道の音を好む「音鉄」が参加した。乗車時間は約90分で、大多喜駅で貸切列車に乗車し、上総中野駅で折り返し、大原駅へ到着後、再び折り返し大多喜駅に戻った。いすみ鉄道の全区間を走行し、山間部を抜ける際の力強いエンジン音や田園地帯を走る走行音などを全てを体感。貸切列車のため、普段できない「寝そべってエンジン音を楽しむ」姿も見られた。気動車ならではの揺れを体全体で楽しむ人もいた。

 東京都から参加した30代男性は「昭和鉄道高校OBで『乗り鉄』。今回『音鉄』との交流を通し、普段体験できない音を全身で感じることができた。寝そべっているとゆりかごに揺られているような感覚になり、力強いエンジン音が優しい子守唄に聞こえてきた」と振り返る。

 埼玉県から参加した50代男性は「鉄印マイスターでもあり、音をこよなく愛する『音鉄』。今回の企画のために、収録マイクなどを準備し、万全の体制で来た。台車付近の車輪とレールの摩擦音やDMH17のエンジン音を同時に収録したいと思い、2カ所にマイクを設置。外からは独特のエンジン音の収録に全力を注いだ」という。

 同高校鉄道研究部部長の湯山竜ニさんと企画担当の笠島颯人さんは「私たちの企画だが、鉄道ファンとしての一つの夢を形にしていただいて感謝している。後輩につなぐ一つの伝説ができた」と胸を張る。

 いすみ鉄道の吉田貴文さんは「これから鉄道に関わる仕事を目指す生徒と一緒に、開催できてうれしい。現鉄道職員と将来の鉄道職員とのコラボにより、彼らの今後の自信につながれば。数年後、鉄道職員になった彼らとまた一緒に企画ができれば」と期待を込める。

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