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いすみ・岬中の総合学習授業で地域課題を考える 地域商社が講師に

講師の話を真剣に聞く生徒たち

講師の話を真剣に聞く生徒たち

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 いすみ市立岬中学校(いすみ市岬町椎木)で11月15日、地域商社「SOTOBO ISUMI」の社員を講師に招き地域課題解決の授業が行われた。

キーワードを集めワークシートに書き込んだ

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 同社は地域の課題解決や活性化に取り組むことを目的に2020年6月に設立。漁業DX事業、ICT支援事業、研修事業などの事業を展開している。昨年は、いすみ市をフィールドに、ビジネスマインドへの転換を目的とした3カ月間の企業研修を実施。地域事業者への訪問や市役所でのヒアリングなどをサポートをした。研修の参加者が地域の現状を踏まえたビジネスプランを発表したところ、同校の学年主任の高松洋子教諭が「研修を参考に授業を行いたい。子どもの良い刺激になれば」と考え、同社に出張授業を依頼した。

 岬中学校では毎年1年生の総合的な学習の時間に同市について調べ学習を行っている。本年度のテーマは「これからの地域について、課題の発見と解決」。生徒一人一人が課題を設定し、数人のグループで祭り関係者や住職、JA等などにインタビューを行い解決策を考えている。

 今回の授業では同社の紹介と研修事業について過去の事例を紹介。生徒は講師の話を食い入るように聞き、写真や動画を用いてビジネスプランの事例を紹介すると「面白い」「実現してほしい」などの声が上がった。授業の後半ではいすみ市のキャッチフレーズを作るワークに取り組んだ。生徒は「いすみといったら」のかけ声に合わせ、元気に「伊勢エビ」「梨」などの地域の特産や、「平和」「祭り」などの特性からキーワードを挙げた。ワークシートには書ききれないほど多くの、いすみ市にまつわる言葉が並び、集めたキーワードからグループでキャッチフレーズを考案。その際には、「いすみはいいところがたくさんある」「どれも良いところなので、どの言葉を使うか悩む」と生徒は真剣に取り組む様子が見られた。

 最終的には「恵まれた自然とにぎやかな町ISUMI」「海の幸、自然の恵みめぐみが集まる町いすみ」などの多くの案が発表された。キャッチフレーズには自然にまつわる言葉や地域の雰囲気を伝える言葉が多く採用され、生徒は「楽しくゲーム感覚でいすみ市について考えることができた。これからの総合的な学習の時間に生かしたい」と話していた。

 依頼を受けた同社社長の今江純子さんは「大変貴重な良い機会をもらった。これからの地域を担う生徒の皆さんにこの地域を知り、考え、創造するきっかけとなることを願っている」と話す。

 高松教諭は「子どもたちが楽しそうだった。ワークでは想像以上にいろいろな言葉が出ていた。意外と市のことを知らない子どもも多いので、言葉の連想から自分たちの課題解決に向け取り組んでいけたら」と期待を込める。

 生徒の発表は本年度末を予定しており、生徒の自主性を尊重しながら、さまざまな発表形式で報告を計画しているという。

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