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いすみの「星空の小さな図書館」が10周年 本を介して地域見守る

納屋を約1年かけて改修し図書館にした

納屋を約1年かけて改修し図書館にした

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 納屋を改装した民間図書館「星空の小さな図書館」(いすみ市能実)が12月22日で10周年を迎える。

「星空の小さな図書館」館長の三星さん

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 2011(平成23)年に同市に移住した三星千絵さんが館長を務める同館。三星さんは2012(平成24)年、古民家を借りシェアハウス「星空の家」を始めるが「より地域の人が気軽に立ち寄れる場所を作りたい」と思い、同じ敷地内にあった納屋を改装し2014(平成26)年、図書館をオープンした。

 「小さい頃から本が好きだった。中学生の時、図書委員長も務めたが、大人になるにつれ忙しさを理由に本を読まなくなっていた。まさか自分で図書館を始めるとは思ってもいなかったが、地域との接点を考えた時に本の持つ魅力や可能性を感じ、図書館という形を選んだ」と振り返る。

 2020年から、寄贈本をいすみ鉄道のために活用する「い鉄ブックス」を始動。「図書館を続けていると、多くの人から本を寄贈いただく。ただ、棚には限界があり全て活用することができていなかった。『い鉄ブックス』では、古本市を企画したり、ネットで販売したりするなど、それぞれの本に合った形で活用している。寄贈者には、返礼品としていすみ鉄道の一日乗車券やグッズを進呈しているが、返礼品をきっかけにいすみ鉄道に初めて乗ったという人もいる。本を介して地域とつながるきっかけになっているのでは」と話す。

 開館日は日曜と月曜の週2日のみ。「図書館を始めた当時は仕事をしていたため、休みの日に開館しようと考えた」と三星さん。現在、三星さんの働き方は変わったが、図書館の開館日は10年間変わっていない。

 「よく来館する人で、普段文庫本を借りるのに、ある日絵本を借りたことがあった。話を聞くと、『孫ができたので読み聞かせたい』と。図書館が開館した同じ年に生まれて、通い続けてくれる近所の子どももいる。子どもの成長や地域の変化を知ることができるのが一番うれしい」とも。

 10周年を記念して12月21日~24日は特別開館する。「10年は、振り返ればあっという間だったが、これからも変わらず長く続けていきたい。特別開館には、日頃来られない方も気軽に来てもらえたら」と、来館を呼びかける。

 開館は日曜・月曜の13時~18時。入館無料。年内は12月29日まで、年始は1月19日から。2月は冬休み。

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