
特定外来生物のキョンと狩猟について学ぶ「遊ぼうおんじゅく! キョンについて考える、狩猟体験ツアー~特定外来生物、キョン 捕獲なるか?!~」が6月1日、御宿町の里山で開催される。
捕獲後、まだ温かいキョンを触る様子(写真提供=オンジュクジビエラボラトリー)
主催はオンジュクジビエラボラトリー。代表の宮嵜勢太郎さんは2018(平成30)年、獣害対策担当として御宿町地域おこし協力隊に着任。狩猟免許を取得し退任後も狩猟のほか、ジビエの加工・販売、体験イベントなどを開いている。同ツアーは2023年に初めて開催し、今回で12回目。
同ツアーでは、外房地域で増えてしまった特定外来生物のキョンの生態や地域の自然環境などに触れ、獣を捕獲するわなの種類や方法など狩猟について学ぶ。実際にわなを仕掛け、捕獲があれば解体も体験する。キョンのほか、アライグマやイノシシなどが捕獲されることがあるという。ツアーの終わりにはジビエ肉のほか、この地域の特産品である海産物でバーベキューを行う。
宮嵜さんは「都内から比較的アクセスがしやすいこともあり、東京や横浜から参加する人が多い。前々回は福岡県からわざわざ参加してくれた人もいた。『狩猟の免許を取りたい』『子どもに体験させてみたい』『キョンを見てみてみたい』など、参加動機はさまざまだが、実際に解体を体験することで、命を頂くことに感謝するきっかけになったという声は多い」と話す。
元々は介護の仕事に就いていた宮嵜さん。未経験から猟師に転身したが、地元のベテラン猟師に支えてもらいながらキャリアを積み、現在、さまざまな取り組みを進めている。
「捕獲したキョンは一宮町の食肉処理場に持ち込み処理をした上で商品として販売している。10キロのキョンから、販売できる肉になるのは2~3キロほど。解体の手間は同じぐらいかかるのに、イノシシやシカに比べると歩留まりが悪く、価格が高くなってしまう。体験ツアーでは、そうしたことも伝えていけたら」と話す。
「現在、より効率よく加工ができるよう町内に食肉処理場を計画している。皮をなめし革製品にしてブランド化していこうという動きもある。命を頂く中で、最大限に活用できることを考えていけたら」とも。
「人の都合で日本に持ち込まれ、増えてしまったキョン。そこには複雑な事情が絡み合っている。今起きていることを知り、キョンについて一緒に考えるきっかけになれば」と参加を呼びかける。
開催時間は10時30分~17時30分。料金は、大人=2万円、中学生以下=1万3000円。事前申込制。定員になり次第、受け付け終了。小雨決行。