
地元住民を講師に招いた「蜜蝋(みつろう)ろうそく作り体験」が6月23日、大多喜町立つぐみの森保育園(大多喜町中野)で開かれた。
鍋の中て温められた蜜蝋液へろうそく芯を一人ずつゆっくりと浸していく様子
園児による野菜栽培や稲作体験、磯での生物観察会や投網体験など、自然環境を活用した保育に取り組んでいる同園。2024年には、同町内のみつば保育園と共に千葉県の「ちば・うみやま保育(千葉県自然環境保育認証制度)」の認証を取得した。
同体験は今回初めて開催。講師は宇佐美とよみさん。3年半前に同町にUターン。これまで、蜜蝋ろうそく好きが高じて製造、販売、ろうそく作り講師などを続けていた。「子どもたちの体験を大切にしていきたい」という思いから、自ら保育園へ志願したところ実現した。宇佐美さんは「蜜蝋ろうそく作りは、触覚、嗅覚、視覚を動員しての作業。貴重な天然の素材を使い、感覚に響く作業は、丁寧に向かえば出来上がるろうそくはそれに応えてくれる。蜜蝋ろうそくの光は、少し黄みを帯びた光で甘い匂い。灯せば心が満たされる」と話す。
当日は親子参観日だったため、保護者も一緒に参加した。ろうそくの芯を蜜蝋の溶けた容器に浸し、冷まし、また浸す作業を繰り返し、職員が用意した手作りの木の台へ載せて完成。宇佐美さんは「子どもたちと作るのは初めての試みだったが、とても熱心に作ってくれた。次回は大多喜の蜂蜜から取れた蜜蝋を使ってろうそくを作りたい」と話す。
同園では6月6日、「はちみつ体験」も開催している。同園に通う園児の保護者が養蜂家だったことから実現し、蜂の種類や営みについて学び、実際に巣箱から採取器具を使って蜂蜜を抽出した。
今年4月に就任した中村文則園長は「今回、初めて園児たちと一緒に蜂蜜体験とろうそく作り体験を行った。地域とのつながりの中で実現できた企画。身近に行われている営みを実際に体験することで、心に残る体験ができるでは。蜂蜜体験から生まれる蜜蝋ろうそく作り体験というような循環型の体験を、今後も行っていけたら」と話す。