
いすみ市立浪花小学校(いすみ市小沢)で1970年代半ばから続く恒例の校外学習「磯観察」が6月26日、岩船海岸で行われた。
地域の自然に触れ地域への理解と関心を深めることを目的に毎年実施している校外学習。岩船地区には卒業生も多いため、毎年、児童に加え保護者や地域住民も参加する。今年は、天候の関係で1日延期した。
笠原尚子教頭は「学校から岩船海岸までは徒歩30分ほど。児童の足だと距離があるが、全校生徒で一緒に歩いて移動している。皆、この日を楽しみにしていた。磯では、さまざまな生き物を見つけることができるが、特に子どもたちに人気があるのはタコ」と話す。
当日、児童たちは虫かごと網を持ち、砂浜から磯へ移動。ぬれることを気にせず生き物探しに夢中になった。寝そべって岩場に手を伸ばす児童や、カニや貝、エビのほか、アメフラシを捕まえる児童もいた。親や地域の大人も網を持参し、子どもと一緒に磯を散策した。
同校卒業生で岩船地区在住の吉田裕樹さんは「子どもが同小学校に通っている。磯観察は、自分が小学生だったころにも行われていた。当時は今に比べ砂浜が少なく、岩場が多かった。岩の隙間に多くのタコが隠れていたのでたくさん捕まえたが、今は少なくなった印象」と話す。
同校の全校児童は現在28人。5年生は11人いるが他学年は10人に満たず、4月に入学した新1年生は1人だけだった。少子化が進んでいるが、今回の磯観察のように学年を超えた交流があるという。
笠原教頭先生は「当校には今年4月に赴任したばかり。児童数が少なく大変なこともあるが、児童だけではなく保護者や地域の人たちが子どもたちを温かく見守り、横のつながりを感じている。磯観察でも多くの人に協力いただき実現できて感謝している」と振り返る。