
「地震被害から地域の未来を守るいすみ市木造住宅耐震化セミナー」が7月12日、夷隅文化会館(いすみ市深谷)で開催される。
主催は千葉県建築士会夷隅支部。同支部は、昨年からいすみ市と提携し、地域の耐震化推進に取り組んでいる。いすみ市耐震改修促進計画(案)で同市の耐震化率は約78.2%と推察されており、千葉県内54市町で20番目に低い水準。特に旧耐震といわれる1981(昭和56)年5月以前に建てられた建物へのリスクが高く、現状を改善するきっかけとして同セミナーを企画した。地域住民に向けた耐震セミナーは、同市内では初の開催となる。
セミナーでは、地震による木造住宅の破損状況と、それに対する低コストな耐震化対策について触れる。熊本県で耐震改修工事を手がける熊本耐震改修研究所代表の古市伸一郎さんが先進事例を紹介。いすみ市内での耐震シェルターへの取り組みや、新しい地震対策として住宅の耐震性能を測定する微動探査などを紹介するほか、パネルディスカッションも予定する。
同支部は、地域の小学生に向けた耐震化の出前授業活動も行っている。名古屋大学福和研究室が開発した、紙で作れる振動実験教材「ぶるる」を使い、木造住宅の耐震化に大切な「筋交い材」の重要性について学ぶ授業を、これまでに勝浦市や大多喜町、いすみ市の小学校で行ってきた。
同支部耐震化推進部会長の齊藤美香さんは「一昨年から地域の小学生を対象に、木造住宅耐震化について一緒に学び取り組んできた。いつ起こるか分からない大地震の防災として耐震シェルターや耐震改修など、まずはいろいろな選択肢があるということを知る機会になれば。今回の耐震セミナーは当支部では初めての開催。夷隅地域の耐震化促進に少しでもつながるよう、ぜひ多くの地域の人に参加してもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は14時~。参加無料。