
張子や房州うちわ、萬祝(まいわい)について学ぶことができる「千葉の工芸体験会」が7月20日、民芸品店「北土舎」(いすみ市大原)で始まった。
「千葉の民芸、千葉の手仕事」をテーマに工芸品や手仕事品を販売するほか、地域工芸の魅力を伝える体験企画やイベントも開いている同店。店主の松村剛さんは「千葉の工芸体験会の開催は久しぶり。夏休み期間なので、子どもたちにも体験してもらえたらと考え企画した」と話す。同体験は小学生~大人を対象に全3回開催し、1回から参加できる。
初回は「張子の絵付け」体験。張り子は紙で作られた中身が空洞の郷土人形で、縁起物として古くから親しまれている。講師を務めたのは「房総張子」の大谷未起生さん。大谷さんは、現在千葉県内に残る手作り張子職人数人のうちの一人。大谷さんは「張り子は民芸品として昔から多くの人に親しまれてきた。素材も絵柄も地域によって違うため、そこに歴史や文化がある」と話す。
当日は「以前から張子に興味があり体験してみたいと思っていた」と千葉市から参加した人のほか、市内の子どもたちが参加。張り子の歴史や文化、作り方について学んだ後、実際に絵付けを体験した。会場には、鬼やてんぐ、キツネなどを絵付けをする前の張り子が多数用意され、それぞれ好きなものを選び、絵付けを体験した。
松村さんは「地域で長く作り続けられてきた工芸品は千葉県民のアイデンティティーそのもの。身近に触れる機会が少なくなってしまったが、体験を通して房総の文化や歴史について学ぶきっかけになれば」と話す。
今後は、丸柄と呼ばれる一本の女竹から骨を作る「房州うちわ」、大漁の時に着る祝い着「萬祝」を学ぶ体験を予定する。
次回開催は8月3日。体験時間は10時30分~、13時30分~の各2時間。事前予約制。定員に達し次第、受け付け終了。