
アイルランド出身の2人が奏でるコンサート「アイリッシュハープと薩摩琵琶で巡る音楽の旅」が11月2日、瀧泉寺(いすみ市大原)で開催される。
アイリッシュ・ハープ奏者のトリーナ・マーシャルさんと薩摩琵琶奏者のトーマス・蘭杖さん(写真提供=Motoko Fujita 2025)
同コンサートは、いすみ市の英語教室「英語畑」をきっかけに実現。風の谷ファームの吉田滋子さんは「娘の夫で薩摩琵琶奏者トーマス・蘭杖(さん)が、日本公演に合わせて来日することになった。せっかくの機会なので、いすみ地域でコンサートができないかと英語教室で話をしたところ、クラスメートたちが興味を持ってくれた」と振り返る。
英語畑は、イギリス出身のロブ・ポットさんが主宰する英語教室。2015(平成27)年にスタートし、子どもから大人まで熟練度別にクラスを開講している。吉田さんは「受講しているクラスには、さまざまな活動をしている人がおり、個性豊か。海外在住経験者やいすみ市国際交流協会のメンバーもいる。海外文化に大変興味を持っていたため、快く協力してくれた」と話す。
「会場となる瀧泉寺は、クラスメートが関係者だったことから借りることができた。機材を通すのではなく生音を聴いてほしかったので会場にもこだわりたかったが、寺という空間はぴったり」とも。
トーマス・蘭杖さんは、1994(平成6)年に来日後、英語教育に取り組みながら日本音楽の研究を進め、1995(平成7)年より、故普門義則さんに師事。普門さんが亡くなる2003(平成15)年まで、正派薩摩琵琶を学んだ。現在はアイルランドに帰国し、パイプオルガンと共に薩摩琵琶奏者として演奏活動を続けている。今回、国内外で活躍する妹のアイリッシュ・ハープ奏者のトリーナ・マーシャルさんと共演する。
吉田さんは「アイリッシュ・ハープと薩摩琵琶の演奏は大変珍しい組み合わせ。今回、地元企業や多くの人の協賛を得て実現することができた。協力してくれた人から『子どもたちに演奏を楽しんでほしい』という声が多かった。当日は内容が理解できるような小冊子も用意する予定。残りの座席が少なくなってきているが、ぜひ、子どもたちに聴いてほしい。この機会に演奏を味わってもらえたら」と鑑賞を呼びかける。
13時30分開場、14時開演。料金は、前売り=2,500円、当日=3,000円、小中高校生=1,000円。チケットは「風の谷ファーム」で取り扱う。