
房総半島の観光活性化をテーマに鉄道を活用したアイデアを競う「第5回房総鉄道甲子園 決勝リーグ」が8月25日、小湊鉄道五井駅に隣接するこみなと待合室で開催された。
会場には、いすみ鉄道、小湊鉄道が持参したヘッドマークを並べた
2021年、いすみ鉄道を将来残していくためのアイデアコンテストとして「い鉄甲子園」がスタート。年に1度、いすみ鉄道が主催し、鉄道科や鉄道研究部がある中・高生を対象に開催していたが、昨年、JR東日本、小湊鉄道を含めた「房総半島の鉄道」をテーマにアイデアを募集、発表会で3社が参加し交流が深まったことから、今年、合同企画として「房総鉄道甲子園」として開催した。
今年の決勝リーグには岩倉高校(東京都台東区)、芝浦工業大学柏中学高校(千葉県柏市)、昭和鉄道高校(東京都豊島区)、国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(千葉県千葉市)の4校7組が進出した。専門学校の出場は今回が初めて。
旧国名である「上総」の名前が付く駅のみを回る駅名ラリーや、都内から臨時列車を仕立てて翌朝にかけて今回主催の鉄道会社を経由して地酒が楽しめる列車などのアイデアが発表された。
最優秀賞は、今回唯一の中学生参加だった芝浦工業大学柏中学高校が受賞。事前に校内生徒にアンケートを実施し、趣向を分析。「SNSは日頃から利用するが、観光系の動画はあまり見ていない」という結果から、房総半島をテーマにした動画のコンテストを行い、話題性を向上させるというアイデアを発表した。
受賞した同校3年の鈴木貴雄さんは「当校は昨年、一昨年と最優秀賞を受賞し2連破中のため、プレッシャーも感じていたが優勝できてうれしい。今回、2年生が中心になって動いてくれた。メンバーへ感謝の気持ちでいっぱい」と話した。同校には賞状のほか、副賞として主催の3社の鉄道を一日巡ることができる権利が贈られた。
いすみ鉄道の古竹孝一社長は「今年もさまざまなアイデアが発表されとても興味深かった。昨今ARやAIなどを活用したコンテンツも幅広くあるので、今後も斬新なアイデアに期待したい。来年は、千葉県内の観光を目的とした授業や関連する取り組みを行っている学校にも参加してもらえたら」と期待を込める。