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長南で芝原人形の「縁起物展」 来年の干支「巳」がお目見え

芝原人形4代目作者・千葉惣次さん

芝原人形4代目作者・千葉惣次さん

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 長南町に伝わる芝原(しばら)人形の販売会「縁起物展」が12月13日、草の子窯(長南町岩撫)で始まった。

来年の干支「巳(み)」に「鏡もち」を掛け合わせたユニークなデザインの芝原人形

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 芝原人形は、江戸時代中期から作り続けられている房総の郷土玩具で、千葉県伝統工芸品に指定されている。浅草の今戸人形の流れをくむ土人形。長生地区では「石ころ雛(びな)」などともいわれ、振ると人形の中の粘土玉がカラカラと音が鳴るのが特徴。昭和30年代までこの地方の「ひな人形」として親しまれてきた。

 芝原人形は、長南町芝原で田中家が3代にわたって製作し、一度途絶えてしまったが、現在では千葉惣次さんが4代目として製作を続けている。

 館内には、来年の干支である「巳(み)」を中心に、十二支、招き猫、えびす大黒、天神様などの縁起物を並べる。13日の初日は、数十人が来訪し、九州や大阪から駆けつけた来場者もいたという。

 千葉さんは「今年の干支は巳。蛇だけだと気持ちが悪いので、鏡もちをイメージしたり、富士山と掛け合わせたデザインを作ったりした。見る人に楽しんでもらえたら」と話す。

 千葉さんは60年以上かけて日本中を歩き、民俗学を研究。正月に縁起物を飾る意味について伝えている。「正月がなぜめでたいのか。日本中共通しているが『福の神』が来て、その家に福をもたらすからと考えられている。人は亡くなると、仏様になった後、ある一定の期間を過ぎると神様になる。正月に神様を象徴する縁起物を飾り、家族そろってご先祖様と過ごすのが日本の慣習。年中行事で人形を祀るという行事は日本だけ。多神教、アニミズムの世界が基底に流れる日本独特の個性や慣習を見直すことで、日本人として誇りを持ってもらえたら」とも。

 開催時間は11時~16時。今月22日まで。

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