女性バイオリンデュオによるクリスマスコンサートが12月17日、おんじゅく認定こども園(御宿町御宿台)で開かれた。
バイオリンの生演奏に聴き入る園児たち(写真提供=藤江和美さん)
園児たちに演奏を披露したのは同町に暮らす超音波検査士でバイオリニスト藤江知美さんと師匠の島根恵さん。藤江さんは東京都足立区出身。9歳でバイオリンに出合い、若い頃から音楽ボランティア活動などにいそしんできた。2005(平成17)年、結婚を機に夫の故郷である御宿町へ移住。夫婦で「ファミーユ弦楽アンサンブル」を立ち上げ、地域住民への楽器指導や音楽活動に力を注ぎ、発表会やこども園などの施設訪問演奏なども積極的に行っている。
移住して間もないころ、町内の児童館イベントで「バイオリンを弾いてもらえないか」と頼まれたのがきっかけで、毎年のように保育所や児童館でクリスマスコンサートを開くようになり、今年で19年目。
コンサート開催当初、保育園の園長から「御宿の子どもたちは生のバイオリンやクラシック音楽に触れる機会があまりない」ということを聞き、プログラムにバイオリンの演奏体験コーナーを設けるなどして内容を工夫したという。
当日は、園内のホールに園児と職員、未就園児と保護者など約90人が集まった。藤江さんと島根さんがクリスマス前からクリスマス当日までのサンタクロースの暮らしを紹介しながら、その様子に合わせた曲を一曲ずつ演奏すると、園児たちは生の演奏に触れて静かに聴き入っていた。ジングルベルの演奏では園児たちも声を合わせて歌った。中には曲に合わせて踊るように体を揺らす子どももいた。
参加した保育園職員は「今はデジタルの時代なので、いつでもどこでも音楽を聴くことができるが、雰囲気や力強さなど生の音を大事にしたい。小さい頃から見聞きできるのは良い経験」と話していた。
藤江さんは「生演奏はCDなどと違って、お客さまと演奏者が一体となって生まれるもの。参加者はその時だけの素晴らしい瞬間を体験できる。今後も声がけがあれば続けていきたい」と意気込む。