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いすみの福祉施設「ピア宮敷」でライ麦ストロー 農福連携で国産品届ける

それぞれの工程に分かれ作業を進める利用者たち

それぞれの工程に分かれ作業を進める利用者たち

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 いすみの社会福祉法人「土穂会」が運営する「ピア宮敷第1工房」(いすみ市岬町桑田)で7月26日、大多喜産のライ麦を使った「ライ麦ストロー作り」が始まった。

長さをそろえるための道具を自作し、作業がしやすくなる工夫も

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 ライ麦ストローは、大多喜町の蒸留所「MITOSAYA」が販売する商品で、同施設は5年前から商品の製造を担当する。同蒸留所では、ウイスキーの原料となるライ麦を大多喜町で育てており、「脱穀後の茎の部分を有効活用できたら」との思いから商品化したという。

 昨年加工したライ麦は3万本。今年は昨年に比べやや少ない量が持ち込まれた。ライ麦ストローは、節を取り、上皮を剥がし、指定のサイズにそろえ煮沸消毒、乾燥を経て完成する。同施設支援員の石野健太さんは「利用者が作業しやすいように作業工程を細かく分け、わかりやすくした。道具も自作し、それぞれ作業が楽しくできるよう工夫した」と話す。利用者は、節を取る、上皮を剥がす、サイズをそろえるなど、それぞれ担当に分かれ作業。利用者の一人は「皮がきれいに取れるのがとても快感」と話していた。

 4年前からは、伐採した木をまきとして利用し煮沸消毒を行う。「伐採からまき割りまで、皆で作業を行っている。手間はかかるが、里山も整備ができ環境にも優しいのでは」と石野さん。

 「当施設では農福連携を進めており、日々さまざまな作業に取り組んでいる。ライ麦ストロー作りは、農作業など外での作業ができない雨の日でもできるためありがたい。納期にもゆとりがあるため、慌てることなく取り組むことができ利用者にも好評。国産のライ麦は珍しいと聞く。大多喜で育ちいすみで加工した国産ライ麦ストローを今年も多くの人に届けられたら」と話す。

 販売開始は今年末ごろを予定。MITOSAYAのほか、同施設の売店でも販売を予定する。

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